8888号発刊特集「2022年1月22日の県内地震被害記録」
2022年02月08日
1月22日午前1時8分頃に発生した、日向灘を震源とするマグニチュード(M)6・6の地震。県内は大分、竹田、佐伯の3市で最大震度5強の強い揺れを観測した。県は発災後直ぐに災害対策本部を設置。県内の災害対応状況の把握に務めた。
あらゆる災害は、いつ襲ってくるかわからない、それに「備えること」しかできないのが現実だ。今回は、新聞8888号の発行直前に起きた、この地震による災害を、記録としてまとめている。(2月7日12時現在)
【地震の概要】
- 震度5強を観測=大分市新春日町、竹田市直入町・荻町、佐伯市蒲江浦蒲江・米水津・鶴見
- 震度5弱を観測=由布市、臼杵市、津久見市
- 余震の状況=32回(22日5時31分頃最大M4・7、最大震度3、佐伯市蒲江浦蒲江・米水津・鶴見)
- 津波の発生=なし
- 避難情報の発令=なし
- 大分市3人(重症)=転倒による頭部、腰部の打撲など
- 佐伯市3人(軽傷)=棚が倒れたことによる頭部負傷、転倒など
- 大在大分港線(大分市青崎)=路面冠水800㍍、全面通行止
- 別府一の宮線(別府市南立石)=落石、片側交互通行
- 国道210号(大分市羽屋)=路面冠水200㍍、車線規制
- 緒方高千穂線(豊後大野市緒方町尾平鉱山)=倒木20㍍、全面通行止
- 日之影宇目線(佐伯市宇目町木浦内)=落石、倒木50㍍、同
- 下郡西南北1号線(大分市下郡北)=石塀倒壊、片側交互通行
- 管志2号線(竹田市今)=落石、同
- 山崎荒木線(由布市湯布院町川南)=舗装隆起、同
- 中川1号線(同中川)=同、同
- 川西田中線(同川西)=同、同
- 角子原4号線(大分市庄境)=家門倒壊、全面通行止
- 断水=佐伯市蒲江西野浦、491戸
- 濁り発生=由布市庄内町約1500戸、竹田市直入町長湯370戸、宇佐市安心院町筌ノ口75戸、日田市天瀬町五馬本村70戸、宇佐市安心院町小田25戸、中津市耶馬溪町深耶馬21戸
- 佐伯市392戸=瓦の落下や内壁の損傷
- 豊後大野市56戸=同
- 大分市17戸=同、県営敷戸住宅の共用部分の一部損傷
- 別府市16戸=同
- 由布市11戸=同
- 宇佐市1戸=窓ガラスの破損
- 非住家被害4件=竹田市(ブロック塀の倒壊)、佐伯市(同、3件)
- 岡城跡(竹田市竹田)=高さ1・5㍍の三の丸石垣が、横幅4㍍に渡り崩壊
【土砂被害】
- 崖崩れ1件=佐伯市弥生上小倉
- 大分マリーンパレス水族館うみたまご=第2駐車場の地割れ、隆起発生(最大長さ75㍍、幅20~70㌢、深さ3・5㍍)
- 田ノ浦ビーチ=人工島の施設損傷
- 工業用水道管破損による漏水(大在大分港線、大分市青崎)
- 東九総合運輸㈱(大分市駄原)=敷地内駐車場に、長さ約50㍍、幅約10㌢、深さ約50㌢の亀裂が数条入り、5㌢程の段差から液状化した細砂が噴出
- 七里田温泉館下湯(竹田市久住町有氏)=湯量が通常の約10分の1に減少、濁りも発生、休館中
- 大分城址公園=公園施設内のやぐらが破損
- 竹田市総合運動公園=多目的広場で長さ10㍍以上のひび割れ
- アミュプラザおおいた=外壁の一部が剥げて落下、亀裂など
- 大分港西大分地区(石油基地護岸)=一部倒壊、一部液状化
- 佐伯市漁港8件=色宮、松浦、蒲江、入津(地盤沈下、段差や亀裂が発生)
備えをしよう
震度5強を観測した、佐伯市海岸沿いの住民は「もし強い余震が来て、津波警報が出た場合に備え、直ぐ高台に逃げられる様にと車の中で一夜を過ごした」と語った。個人が防災セットを家に準備しておく、避難経路を家族で確認しておくことはもちろん、企業は「従業員が交通渋滞で帰れない、帰宅手段がない」場合の一時滞在に備え、保存のきく食料や水、災害用簡易トイレなどを備蓄しておくことが推奨されている。(詳しくは内閣府のホームページを参照)
地震を防ぐことはできない。だが「備える」ことはできる。今できる最善の備えに向けて、直ぐに行動を起こすこと―その警鐘が鳴らされたと、今回の災害を受け止めたい。
おかげさまで、1983年8月に創刊号を発刊して以来、8888号の発行を迎えることができました。これもひとえに、読者の皆さま、建設業界に関わる全ての皆様のおかげと感謝申し上げます。
今後も県内の業界情報をお届けするべく精進してまいります。今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。一同。