大分建設新聞

インタビュー

石和 徹也さん(臼杵土木事務所長)

2022年05月19日
略歴~臼杵土木建設課長、中津日田道路建設室長、建設政策課企画調整監などを経て、今年4月から現職。
 1991年に入庁して初任地は日田土木。旧日田郡部の道路改良に携わり、漁港課や研修生として国土交通省(旧建設省)を経験。その後の行政経験の大半は、道路・企画畑での勤務だった。
 臼杵勤務は3年前の建設課長に続いて2回目という石和さんは「当時はコロナ禍の直前、3密や新しい生活様式など考えられず、津久見の扇子踊りや花火大会、臼杵の祇園などいろいろな行事を楽しんだ」と懐かしむ。
 「管内の状況は概ね理解している」とした上で「高齢化や人口減少が進む中、地域の方々はさまざまな知恵をしぼり、地方創生など地域の振興に挑戦している。われわれも主義を徹底し、地方創生の基盤となる社会資本整備や維持管理をしっかり進め、重要課題に取り組んでいく」と現場長としての決意を述べた。
 具体的な課題として、今年度が最終年度となる津久見川河川激甚災害対策特別緊急事業の推進を真っ先に挙げた。「地元の方々の協力で家屋移転が順調に進み、完成が見えてきた」とした上で「同じく津久見で進めている国道217号平岩松崎BPの2期工区の見通しがついた。JRや地元との協議を詰め、工事の実施設計完了を急ぐ一方で、今年度中には一部で工事発注を計画している」という。
 このほか「臼杵港フェリーターミナルの下り松地区への移転は、1期工事の地盤沈下が収まり次第、上屋建設や駐車場などの舗装工事を発注し、早期の供用開始につなげたい。対岸フェリーバースの造成などの2期事業が今年度から始まる。市や経済界、地域の皆様方のご協力をいただきながら着実に進めていく」と話す。
 「初任の日田土木で、大量の風倒木が発生した台風災害などを経験。当時の上津江村職員が亡くなった。対応する職員や建設業者も、危険と隣り合わせであることを実感した」と災害対応での体験談。
 昨年は土木建築部のDX(デジタルトランスフォーメーション)に関わったことから、職員に対し、働き方改革の一つとして、日々の業務改善を求める。さらに「仕事の2割は将来への投資に向けるとスムーズな行政運営ができる!」とも叱咤する。
 「建設産業は、地域の守り手として欠くことのできない存在。ICT施工やドローンによる測量などの建設DXを推し進め、若者や女性が入職できるような職場環境の改善が重要。コロナ禍で開くことのできない建設業協会の若手技術者との意見交換会を実施したい」と業界にエール。
 趣味は小学生の頃に始めた釣り。波止場などからルアーを投げるジギングに夢中になっている。「10㌔級のブリを釣り上げてみたい」と話す。奥さんと高校生の娘を大分市に残し単身赴任で頑張る53歳。
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