大分建設新聞

インタビュー

田中 修さん(中津土木事務所長)

2022年05月25日
略歴~九州大学を卒業して1988年入庁。土木事務所は中津に2度、そして竹田を経験している。公園・生活排水課長を経て4月から現職。56歳。
 父親のルーツが中津市山国町にあり、少年時代は山国川で泳いだ思い出を持つ田中さんにとって中津土木事務所勤務は3度目。「2度とも中津日田道路建設室にいたが、隅々まで詳しいわけではない」と謙遜して話し始めた。
 「引き続き防災対策や老朽化対策には地道に全力を注ぎ、中津日田道路をはじめとして地域の活力や発展につながるインフラ整備は着実に進める」と落ち着いた穏やかな姿勢で抱負を述べた。
 中津土木管内は、観光地も多く魅力的な地域だが「豊かな自然が時として大きな脅威となる」と自分を戒める田中さんの脳裏には、2012年と17年の2度にわたる大きな災害の経験が焼き付いている。「12年は供用開始したばかりの本耶馬渓耶馬溪道路が、被害を受けた国道212号の迂回路として機能した。17年は12年の整備成果が出ており大事に至らなかった」と貴重な経験を昨日のことのように振り返る。
 同時に「建設業協会をはじめとする建設業に携わるすべての方々のご協力には感謝しかない」と称え、建設業が社会資本整備だけでなく、防災から復旧、復興まで安心、活力、発展の分野で地域に貢献していることに感謝の言葉を重ねた。
 さらに、地域にとって貴重な建設業界の担い手不足は、社会全体にとっても大きなマイナスだと課題を掲げ「建設業界の魅力向上に向け、一緒になって取り組んでいかなければならない」と力強い連帯感も表した。
 豊かな自然に恵まれ深い歴史の流れを汲む中津には、企業も進出し活気を感じると話す中で「事務所にも新卒の5人をはじめ伸び代のある若い職員が多く在籍しており楽しみだ」と期待する。
 その若い職員らを前に新年度のスタートでは「頻発、激甚化する自然災害への備えとして危機管理意識を高め、早め早めの報告・連絡・相談を徹底すること、県民ニーズへのスピード感を持った対応として現場主義を掲げた土木未来行動指針を常に意識すること、健康管理とチームワークという三つの方針を訓示した」と基本的なテーマを語る。
 県民の信頼を得るには現場を大切にしなければならないということを前提に「技術系職員だけでなく、工事経理などに携わる事務系職員も現場に行く機会を設けて、皆で現場をつくっているんだという職場の一体感を深くしたい」と職場本体の改革にも力を入れ「事務所を下支えする事務方は大切だ」と心を配る。
 高校、大学とラガーマンだった田中さんは、昨年10月にラグビーの日本代表戦が昭和電工ドームで開催された時、公園・生活排水課に勤務していた。当時の施設管理者として裏方の運営の手伝いをした経験を振り返り「試合はほとんど見られなかったけれども(ラグビーへの)恩返しはできた」と納得の笑みを浮かべた。
 謙虚という言葉がふさわしい人柄の田中さんが仕事のスイッチをオフにするのはラグビーに関連するスポーツ観戦だと穏やかに話した。
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