大分建設新聞

インタビュー

工藤 哲史さん(県北部振興局長)

2022年06月03日
略歴~京都大学法学部卒。1989年に入庁し、観光局観光誘致促進室長、企画振興部政策企画課長、福祉保健部審議監などを経て、今年4月から現職。
 地方での勤務は、現在の県内6振興局体制となった2006年以来16年ぶりということで「心機一転、フレッシュな気持ちで着任したが、あっという間に時間が過ぎようとしている」と慌ただしさも感じている。
 所管する中津市、宇佐市、豊後高田市はそれぞれに特色のある歴史と風土を背景に魅力的な観光スポットや特産品も多い。移住、定住の動きも比較的活発な地域で「活力とポテンシャルの高さを感じる」と期待を寄せる。
 また、3月まで県のコロナ対策に取り組んできた工藤さんは、この明るい県北地域の社会経済にも大きな影響を及ぼし続けている新型コロナウイルス感染症の波に対して「マスクの着用や換気の徹底、密の回避など基本的な感染症対策の継続を前提に、日常生活と地域の活気を取り戻してほしい」と望む一方で「年中行事やイベントの開催に向けて市当局や関係団体、地域住民と一緒に知恵を絞る」と明言した。
 うれしいことに、30年前中津土木事務所に勤務していた頃にお世話になった人たちが来訪し、懐かしい話に花が咲く中で「地域の課題解決への取り組みにはずみがついた」と頼もしい。
 農業生産額の向上については、県内最大の穀倉地帯である宇佐平野などで水田畑地化や低コスト農業の確立を率先して取り組んでおり「国の進める事業として宇佐市安心院町の農地再編では醸造用のブドウやドリンク用のお茶などの園芸産地づくりを推進している」と話し、宇佐市と長期的に大きな予算を執行していかなければならないという責任感を肩に背負う。
 防災・減災、国土強靱化対策については「近年の豪雨、地震などの自然災害の激甚化と頻発化という環境の中で立ち止まることはできない」と前置きし、管内には県内の3分の1を占める681ヵ所というため池が集中しており「今後10年間で45ヵ所の防災重点農業用ため池の改修を目指す」ことで農家や地域住民の安全・安心の確保を図る。
 建設業界に対しては、インフラなどの整備、災害復旧対応など地域住民の生活を支える重要な産業と位置付け、農業農村整備事業や治山林道事業のスムーズな推進は元より、鳥インフルエンザなどの発生にも対応していることを挙げ、業界の協力の必要性を説いた。「協力をいただいている中で、近年の不調・不落の発生について、現場実態に即した積算の工夫や、働き方改革、担い手不足対策による受注環境の改善に取り組んでいく」と、業界と一体となった管内の振興に取り組むことを強調して話を結んだ。
 2人の息子が共に高校野球で白球を追ったと話す工藤さんも大の野球好きで、応援するチームは秘密だがプロ野球はテレビだけでなく球場にも足を運んでストレスを解消する。日出町出身の57歳。
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