大分建設新聞

インタビュー

亀山 英弘さん(佐伯土木事務所長)

2022年06月06日
略歴~1989年県庁入り。企業局工務課発電所リニューアル推進監、土木建築部建設政策課企画調整監、都市・まちづくり推進課長などを経て、今年4月から現職。
 佐伯土木事務所は4回目の勤務。しかも、臼杵には2回、日田が1回と土木事務所の経験が豊富で、土木事業に徹した安心感を感じながらインタビューを進めると、実は採用時には企業局の北川ダムで勤務が始まり、佐伯方面での勤務は5回目と聞き、改めて驚く。それでも「佐伯市を熟知しているわけではない」と現在の佐伯市の広大さを強調した。
 20~50代まで、長い時間の中で佐伯市の変化を見つめてきたので整備の進化は体感しているが「厳しい地形が多いため、改良すべき箇所はまだまだたくさんある」と地域特有のインフラ整備の必要性を話す。
 一方、職員には「南海トラフ巨大地震を前提に置き、危機管理能力を事務所全体で高めていくことを強くお願いした。防災計画が実際にどう機能するのかシミュレーションを積み上げておくこと」と、普段からの意識と繰り返しの大切さを語る。
 そのためには健康管理に取り組み、元気で明るい職場を作ることが前提だとも言う。災害については「決して起きてはいけないが」と前置きし、被害を最小限に抑えるにはどうすればよいか、復旧をどうすれば早くできるかなど「建設業協会を中心とした議論を深めながら進めて行かなければならない」と協会との連携の重要性を明言した。
 その業界の担い手不足や高齢化については「県土木建築部としてはイメージアップにつながるPR活動を継続している」。例えば土木未来教室や砂防教室などの例を挙げ「住民にリスクを知ってもらい、業界への理解を深めていただく必要性が担い手不足の対策につながっていくことになる」と地道な活動の大切さを語った。
 他県出身の就業者が増えている傾向もあり、人材確保の可能性は広く追求していかなければならない。もちろん佐伯経済の活性化も重要で「佐伯港の民間活用」に土木事務所としての立場から支援してほしいというニーズもあるとテーマを示す。
 数多くの事業の中で特に注目しているのは、大分市を起点とし臼杵、津久見を経て佐伯市弥生に至る幹線道路、国道217号の戸穴バイパス。「道路の現況は幅員が狭く、大型車などの離合に支障がある区間もあり、地元小中学生の通学路として速やかに交通安全を確保する必要がある」と語る。さらに、地形の環境から佐伯には「豊後土工」というトンネル工事の従事者が多いという歴史も振り返る。
 結びに、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策が進められているので「地域でも粛々と進めていかなければならない」とその重要性を明確に掲げてインタビューを終えた。
 亀山さんは「ストレスはあまり感じない」と言う。たまの休日はウオーキングを楽しんでおり、番匠川の河川敷を散歩することで仕事のスイッチをオフにしている。
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