大分建設新聞

インタビュー

四嶋 信一さん(玖珠土木事務所長)

2022年06月09日
略歴~熊本工業大学(現崇城大学)土木工学部卒業後、県職員に。佐伯土木次長兼企画調査課長、河川課防災調整監を経て、今年4月から現職。
 玖珠土木は初めての赴任地。玖珠町の印象について「事務所から見える切株山を始め、自然が豊か。就任して約2ヵ月になるが、季節の移り変わりが実感できて素晴らしい。最近では初夏の訪れを少しずつ感じている」と語り、休日は飯田高原などへドライブに出かけるとのこと。
 これまで本庁のほか、臼杵、大分、日田、中津、佐伯の各土木事務所で勤務しており、道路や砂防の災害復旧にも数多く関わってきた。特に印象深かったのは、2017~19年まで勤務していた本庁の砂防課長補佐(総括)の時の仕事。
 17年5月に豊後大野市朝地町の綿田地区で大規模な地すべりが発生、その対策に奔走した。住民からの緊急通報を受けて上役の課長と共に、すぐに現地に向かい調査を進めた。「迅速に対応できたと思う。住民の不安解消や避難行動にもつなげてもらいたいという思いから、マスコミの問い合わせには、丁寧に正確な情報を伝えることを心掛けた」と振り返り「災害が発生した際の情報発信や被災地住民とのコミュニケーションが重要」と言葉を強くした。
 職員に対しては「令和2年7月豪雨からの災害復旧工事もまだ半ばであり、みんな一丸となって精力的に働いている。特に住民から個々の復旧工事の進捗状況などを聞かれた時は、必ず一つずつ詳しい状況を説明し、安心してもらえるよう心掛けている」と、ここでもコミュニケーションの重要性を強調。職員にそうした共通した意識があることに高い評価をする。
 管内の事業では「緊急輸送道路にも指定されている国道387号は物流、観光振興、生活道路など重要な路線。現在進めている道路改良事業(川底工区)を来年の供用開始に向けて頑張っていきたい」と決意を述べ「災害復旧工事は当然進めていくが、中でも大きな被害を受けた野上川広域河川改修事業には全力で向かう。国の『防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策』予算なども活用しながら積極的に推し進めていきたい」と力強く語った。
 建設業界に対しては「令和2年7月豪雨の時は、災害の応急対応から復旧工事までご尽力され、しかも工事量に対して技術者不足により受注がままならない状況もある中で、できる限りの対応をしていただき本当に感謝している。担い手の確保に関しては、官民が共に考えていかなければならない課題であり、例えば共同で地元の高校などに業界の魅力をPRする活動なども大切だと思う。赴任して玖珠支部の2世会(若手経営者)の方々とも意見交換したが、積極的で前向きな意見をいただき頼もしく感じた。今後も顔が見える形でコミュニケーションを取っていきたい」と、業界の次世代に期待する。
 座右の銘は「やまない雨はない」。「特に災害などで不休の対応が求められる時にこの言葉を思い、前向きに仕事に打ち込むことができた」。
 趣味は冬期のイカ釣り。「釣れた時の喜びと、釣れたてのイカを美味しく食べられるのが醍醐味」と頬を緩ませた。豊後大野市出身の55歳。
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