大分建設新聞

インタビュー

岩尾 誠二さん(県北部振興局長)

2023年06月30日
 略歴~1990年県職員に。初任は本庁の農政部耕地課。人事課人事企画監、行政企画課長、商工観光労働企画課長などを経て5月から現職。
 宇佐勤務は3度目。うち直近は同じ北部振興局だったが15年以上前のことなので「今回の宇佐勤務では以前とは違う感覚を持った」と赴任の第一印象。改めて町を眺めてみると「懐かしい風景の中に新しくできた道路や、きれいに改修された道路。そこに新しくできた店がミックスして新鮮な風景を感じた」と言う。
 この地区は若い人が住むために必要な働き場所が確保されており、農地再編整備や干拓など農業規模も大きく、明るく元気のある地域と見ている。
 「コロナ対応が変わった今、振興局としては商工業、農林水産業の振興、その基盤となる農地の整備、企業の参入や流通経路を支援する役目を担っている。県北を元気にしたい」のが岩尾誠二さんの抱負だ。
 中でも注目は、2025年に創建1300年を迎える宇佐神宮の最寄り駅である宇佐駅のリニューアル事業。「100年に1度のビッグプロジェクトを逃すわけにはいかない」と歴史の節目を強調した。「宇佐だけでなく県北3市全体を元気にしていくお手伝いをしたい」とも。
 岩尾さんは「県内最大の穀倉地帯である宇佐平野の農業振興は、県の農業産出額の向上の大きな柱だ」と考えている。「そのためには農地の大区画化や排水対策などの整備を進め、水田畑地化や低コスト農業の確立を積極的に進めていかなければならない」。
 一方、安心院地域で進む国の農地再編事業では、「醸造用のブドウ、ドリンク用のお茶など農業参入者に合ったオーダーメイドによる園芸産地づくりを推進しているが、これらの整備には建設業の皆さんの協力が必要」と語る。
 農林水産業の基盤整備、インフラ整備には建設業界の協力が絶対に必要。「業界の皆さん無くして農業振興は成し得ないし、鳥インフルエンザの時にも埋却作業に馳せ参じ貢献していただいた。また災害復旧でも全ての方の安心確保に貢献していただいており、社会に欠かすことのできないありがたい存在」と岩尾さんは業界への感謝の言葉を重ねた。
 課題もある。担い手不足に加え、最近の資材不足や価格高騰など厳しい環境を指摘しながら「微力ながら一緒に頑張っていきたい」と共に歩む決意を示す。
 自らの組織について。県の職員全体が若返る流れの中で、振興局の職員にも若さを感じていると言う。「若い職員が堂々と業務を進めていく姿に逞しさを感じている。このまま大きな志を持って前進してほしい」と期待を込めた。人事系の職場に長く携わった経歴から、自発的な職員の動きに目を細め、見守る姿が岩尾さんにはある。
 仕事のスイッチの切り替えはテニスで。宇佐でテニスを楽しむ場所はないものかとさがしている。また、日出の実家の農業の手伝いにも汗を流す。岩尾さんは「農業は作物の成長のためにデータ分析や調査が必要な奥深い世界。脳トレにもなる」と、探求心の強い日出町出身の55歳。
フォトコン結果発表
取材依頼はこちら
環境測定センター
arrow_drop_up
TOP