大分建設新聞

インタビュー

岩﨑 聖治さん(豊後高田土木事務所長)

2023年07月06日
 略歴~1987年入庁。初任は新産業都市開発局で、臼杵土木事務所の管理保全課長、別府土木事務所次長兼企画調査課長、大分土木事務所次長などを経て5月から現職。
 岩﨑聖治さんは「豊後高田は初めて」と話すが、県内に12ある土木事務所のうち八つの事務所勤務を経験して、今回で九つ目の任地となる。土木事務所以外の職場では、今はない新産業都市開発局が初任。その後港湾課、都市計画課、道路整備促進室、高速道対策局、土地開発公社など多様な部門を担当してきた。
 「全般的に多岐にわたる業務に携わってきたが、道路・街路が多い。赴任した管内でも豊後高田国東線、新城山香線、国道213号など道路関係事業が軸になるが、一方で安全安心の観点から下長岩屋第1川砂防ダム、石場地区急傾斜地など砂防や河川、急傾斜地対策事業などもしっかりと取り組む」と防災分野からも目を離さない。
 土地開発公社では、流通業務団地の造成、別府土木事務所では別府挾間線・別府庄内線などの事業に携わってきた。多忙を極めた現場が多かった中で、岩﨑さんが一番印象に残ったのは「日出ICから空港道路までの国道213号日出BP事業。建設業界の方々も同じだと思うが、技術者としては工事が完成し、子どもたちを自分が担当した道路や構造物に案内して話をした時がうれしかった」。土木建築という仕事へのモチベーションにつながってきたと言う。
 今の職場について「職員は若い人が多い。元気がよくて活気がある。加えて、総務、用地、保全、河港、砂防という多くの班の総括担当が地元出身者で土地勘があり心強い」と安心感を示す。職員には「地元からの要望には、すぐに現場に出向いて対策を打つか、持ち帰って検討が必要なものは必ず状況報告を入れてフォローをしっかりすること。地元に安心してもらえるよう、きめ細かな対応をしてほしい」と語る。
 岩﨑さんの建設業界のとらえ方は、物を作るだけでなく命を助ける業界。災害や積雪の時に最初に駆け付けるのは地元の建設業者だ。「地域の守り手としての気持ちが強い」と岩﨑さんは、共に協力し合う大建協豊後高田支部長の思いも感じている。人材確保や育成についても「業界もわれわれも、同じく担い手不足という共通の課題を抱えている。人材は貴重なので、若い人には丁寧に教えて技術を伝承しなければならない。きちんと教えれば必ず成果は出る。先輩職員は教える時間を増やしてでも若い人にフィットして取り組む必要がある」と時代に沿った育成方針を語った。
 息抜きは温泉。「別府土木勤務をきっかけに温泉が好きになり、竹田土木では名水に出会い、汲みに行く習慣ができた」とも。週末には、汲んできた湧水を使って料理も手掛けるそうだ。料理サイトを見て食材とおいしい水を合わせてアレンジする。「作るという意味では土木工事と同じで料理は楽しい。おいしい水で作る料理はおいしく、作った甲斐がある」と微笑む。津久見のソウルフード「太田のぎょろっけ」で育ち、今でも冷凍庫に常備する津久見市出身の58歳。
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