大分建設新聞

インタビュー

後藤光希さん(㈱平和建設土木部)

2024年01月24日
 「緊張しています」と、正直に言い向かいに座ったのは、㈱平和建設の土木部に所属する後藤光希さん(22)。こわばった顔から緊張具合が伝わってくる。少しなごんだところで、業界へ進んだきっかけや普段の仕事、今後の目標について話を聞いた。
 中学3年生の進路を決める際、迷わず大分工業高校の土木科を選んだ。「父親が自営業で土木建築関係の仕事をしているため、その道を選ぶのは自然なことだった」と話す。幼い頃に連れて行ってもらった現場で、ハキハキと指示を出す父親、颯爽と仕事に取り掛かる作業員の姿を見て「かっこいい」と憧れた。「作業着も工具も、子どもの頃から身近なものだった」と言う。
 土木の道に進むことは決めていたが、はっきりと「ここで働きたい」という就職先のビジョンが見えたのは、高校3年生の夏だった。「授業の一環で平和建設へ職場体験に行ったことが大きなきっかけだった」と振り返る。「体験場所は橋の架け替え現場だったが、アットホームで現場の空気が和やかだったこと、作業をしっかり丁寧に教えてくれたことなどが印象に残った」、また地元での就職を希望していたため「会社案内のパンフレットで紹介されていた、県内の優良建設工事など数々の受賞歴を見て、実績あるこの会社で働きたいと思った」と、顔の緊張が解け、笑顔で語る。2020年春に高校を卒業し、現在入社4年目だ。
 いま担当しているのは、庄の原佐野線下郡工区の高架橋建設の下部工工事の現場。「職場体験で感じた雰囲気そのままの会社。先輩たちも優しく、(毎日)充実している」と話す。「自分の仕事に責任を持つことを意識している。分からないことはそのままにせず、すぐ確認するようにしている」と心掛けを教えてくれた。
 ここで話題は、いま注目の働き方改革に。最近の就業環境について尋ねると「この現場は完全週休2日制。土曜日が休みというのは、体力的にも精神的にもメリットが大きい。働きやすさはもちろん、プライベートの充実も申し分ない。同じ道を志す後輩には、ぜひアピールしていきたい点」と、若者の視点で語る。
 いま目指しているのは、二級土木施工管理技士の資格取得だ。「最終的には一級を取得したい」と向上心をのぞかせる。「将来は一人で現場を任せてもらえるように、今のうちに先輩からたくさんのことを吸収していきたい」と、頼もしく目標を見据えた。
 「休みの日は家にこもり、ゲームを楽しむ」というインドア派。実は双子の弟がおり、兄弟そろって土木の道を歩んでいるという。最後は緊張も解けたのか、とびきりの笑顔を見せてくれた。
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