大分建設新聞

四方山

木造建築なう

2024年03月27日
 弊社の真向いで住宅建設が進んでいる。木造住宅で知られるハウスメーカーのモデルハウスだ。会社の窓から現場を一望できるので、地盤調査~根切り~基礎工事と興味深く観察できた。土台が入ったかと思うと、プレカットされサッシを取り付けて組み上げた壁パネルが運び込まれ、あっと言う間に家の形が出来上がった▼一方、裏通りでは昨年暮れ、古い民家が全焼。3月まで炭化した骨組みだけの無残な姿を晒していた。こちらは重機が入ってあっという間に解体され更地に。思いがけなくも、住宅の新築と解体を同時に観察する機会になったが、いわゆる「一生で一番高い買い物」も瞬時に灰になることがある▼地震も然り。熊本地震では新耐震の住宅の一部が倒壊。能登半島地震では輪島市の朝市通りで出火し、300棟以上5万平方㍍を焼き尽くした火災が記憶に新しい▼建築界では近年、木造高層建築が注目されている。木材と鉄骨を組み合わせたり、CLT(直交集成板)という部材を使う技術が生かされる。木造は火災に弱いという先入観があるが、揺れに対する耐力や火災時の耐火性の面でも鉄筋コンクリートに劣らない性能を発揮するそうだ。県内でもAPU新教学棟、ホーバーの旅客ターミナル(空港側)など大規模な木造建築が増えている▼これから住まい購入を考えるなら知っておきたいのが2025年4月の建築基準法改正だ。「4号特例」―ある条件に該当する建物の設計を建築士が行った場合に限り、建築確認時の構造耐力関係規定等の審査を省略できる―が見直され、木造か非木造を問わず、基本的に2階建て以上の建物は建築確認申請時の資料提出が義務化される。建築確認・検査の手続きがより厳しくなることで、消費者の安全安心につながることが期待されている。(コデ)
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