大分建設新聞

インタビュー

亀山 英弘さん(別府土木事務所長)

2024年05月08日
1989年県庁入り。企業局工務課発電所リニューアル推進監、土木建築部建設政策課企画調整監、臼杵土木事務所、都市・まちづくり推進課長、佐伯土木事務所長、道路保全課長などを経て、今年4月から現職。
 「別府への赴任は初めて」と、柔らかい笑顔と口調で迎えてくれた亀山英弘所長。「別府市が整備した鉄輪地区など、市の担当職員と共に『まちづくり交付金事業』として組み立てていった際の思い出がよみがえる」と、20年前に県の担当者として携わった事業について懐かしむ。別府土木事務所職員約70人を束ねる亀山さんに、赴任に当たっての思いを聞いた。
 管内の印象については「コロナ禍前のにぎわいを超えそうな勢いのあるエリア。観光客、留学生なども多く、新しい人をどんどん受け入れる力がある。一方で、杵築城下などの歴史的町並み、貴重な史跡なども多く、日本の歴史とグローバル文化が混在する、ほかにないエリア」と語る。「管内のにぎわいの一助となるよう、事務所一丸となって業務に取り組んでいきたい」と続けた。
 注目する管内の事業については、①別府港の再編②国道500号の無電柱化・街路整備③河川・砂防・急傾斜事業などの防災・減災対策④大分空港道路の管理―を挙げる。「大分空港道路は、国東土木事務所とも連携して行っている。雪氷対策、橋梁の耐震化など、安全なインフラの提供に今後も努めていく」と話す。
 そんな亀山さんが掲げるのが「現場主義の徹底」だ。「地域に密着して県民の意見をしっかりと伺うこと。県民の立場に立って、声をしっかり聞き、その声を事業の改善や政策へ反映させていくのがわれわれの仕事」との考えを崩さない。 
 また、「各土木事務所は、地域の総合防災センターとしての役割も持つ。平時から関係機関との緊密な連携を深めたい」と述べ、「県民が安全に暮らせるのは、この建設業に携わる皆さんの使命感や誠実な仕事への姿勢があってこそ。なくてはならない大切な産業だ」と言葉に熱を込める。
 亀山さんは着任時、訓示において職員へ三つのことを呼び掛けた。一つ目が緊張感を持って仕事をすること。二つ目が情報共有をしっかり行うこと。三つ目が健康に気を付けること。「心と体の健康が何事にも勝る。業界においても、事故やけがが無いよう、安全第一でお願いしたい」と続けた。
 今年、別府土木事務所を含む県4事務所の敷地内においては、新庁舎の建設というビッグプロジェクトも進められている。「ほかではできない貴重な経験。スムーズな引っ越し作業に向けて、しっかり準備を進めていく必要がある。だが、非常に楽しみ」と笑顔を見せた。
 今年で59歳を迎える亀山さん。スポーツ、楽器、バイクなど多くの趣味に手を出したが「これと言ったものがない」とのこと。「庭の手入れや木の剪定、草刈りをしている時が楽しい」と、終始穏やかな雰囲気でインタビューを終えた。
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