大分建設新聞

インタビュー

清水 豊さん(豊肥振興局長)

2024年05月09日
1994年入庁。県総務部地方課、県企業局総務企画監、豊後大野市副市長、県総務部参事監兼電子自治体推進室長などを経て4月から現職。
 4月の人事異動で豊肥振興局長に着任した清水豊さんは、2021年5月から2年間、豊後大野市で副市長を務めた経験がある。当時、一番の思い出を聞くと、大原総合運動公園(三重町)に大型複合遊具を設置した事業を挙げる。「コロナ禍の中、遊具で元気に遊ぶ地元の子どもたちの姿を見ていて感動した。公共事業だからこそできる仕事だ」と感慨深く語る。
 その後、県庁の総務部電子自治体推進室長へ異動。県・市町村のDX化の促進、基幹業務県システムの標準化、マイナンバーカードの活用促進などの担当を経て、現職に。
 「これまでは主に総務系の仕事だった。建設土木の経験はないので、業界の現状などを市職員から手取り足取り教えてもらった。県と市では、現場の声を聞いて仕事をつくり上げていくプロセスは大きく違うがやりがいがある」と満足そうに語る。
 豊肥振興局の主要事業は、県策定の「おおいた農林水産活力創出プラン2015(20年改訂)」に基づく豊肥地区の農林業生産性向上のための基盤整備。農業農村整備事業では、ほ場整備、農業用水利施設の保全・管理、中山間地域の総合整備など。また、農山村の安全確保のための防災減災事業、治山事業なども行う。県農林水産部の4月発表によると、今年度実施予定事業概要の農業農村整備事業予算として、水田畑地化推進基盤整備(竹田市松本区画整理7・1㌶2億6600万円ほか)など13事業で9億1300万円が盛り込まれている。
 同プランの基本目標は「挑戦と努力が報われる農林水産業の実現」と「安心して暮らしていける魅力ある農山漁村づくり」の2本柱―その目標達成には担い手の確保・育成、生産性向上と高収益化、流通体制の確立など課題は数多い。「豊肥地区でも高齢化の進行や担い手不足、耕作放棄地の拡大など非常に厳しい状況だ」と語る。
 「今後一番力を入れていきたいのは、熊本のTSMCによる経済波及効果をどう地域に取り込んでいくか。竹田阿蘇道路が完成すれば物流(販路)をはじめ観光面での効果は大いに期待できる。そのためには管内の魅力を高めることが重要」と指摘する。
 例えば、農地の大規模園芸団地化や水路、灌がい施設などの整備といったハード面の充実を図るとともに、しっかりした営農指導などのソフト対策を行って、企業に選ばれ参入しやすい地域づくりを推進。また、県立久住高原農業高校や農業大学校(豊後大野市)で技術を教えながら地元を就職先として選んでもらえるような環境づくりも取り組むとする。
 建設業への思いとしては「災害時の道路啓開など大きな力が頼りになる。通常時は発注業務を一時期に集中させないよう計画的に実施したい」と話す。
 赴任以来、市内の官舎で単身生活が始まった。朝夕片道約20分歩いて同局へ。お酒好きだが健康づくりにも努める。趣味は読書、音楽・映画鑑賞のほか、休日は管内にある酒蔵巡りも楽しむ、56歳。
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