森﨑 貴嗣さん(豊後大野土木事務所長)
2024年05月24日
1989年入庁。臼杵土木事務所建設課長、県建設技術センター技術部長、県道路建設課高速交通ネットワーク推進監、県土木建築部砂防課長などを経て4月から現職。
県土木建築部砂防課長から4月に異動になった森﨑貴嗣さんは、1996~99年まで三重土木事務所(当時)に勤務。今は業務の引き継ぎ、職員の面談を行っているところだ。「事務所は明るい雰囲気。50人の職員のうち女性技術者が6人在職して頼もしい存在。職員は自由にコミュニケーションしながら働いており、安心して業務ができる」と印象を語る。
豊後大野市を管内とした主要事業は、道路、河川、砂防などのインフラ整備や維持管理、計画など。一番のメインは三重新殿線BP(延長約10㌔)の道路改良事業を挙げる。中九州横断道路と国道326号を結び、市中心部の渋滞を緩和する循環型ネットワークを補完する重要道路だ。
現在の進捗状況は、最後の事業区間である牟礼前田工区(延長約3㌔)で3号橋の橋脚の基礎杭工を進めながら、大野川にかかる2号橋の上部工をできるだけ早く発注すべく入札手続きを始めている。また、完成済の上田原跨道橋から1号橋にかけて山の掘削および法面処理や、その残土を2、3号橋の建設地へ流用するなど今年度内に予定している。「完成までに時間はかかるが市全体の活性化を図れる上に物流の課題解決にもなる」と森﨑さんは指摘する。
市の面積の7割を山間部が占め、管内の土砂災害警戒区域は約400カ所あり、整備率は33%。県平均の30%よりも高いが多くの未整備箇所が残る。近年は豪雨災害が甚大になる傾向があり潜在的な危険が多いことから、いつ豪雨が降っても、臨機応変に対応できるよう日頃から危機管理を徹底するように着任時の訓示でも指示した。
地元の要望に対しては「公共事業には人家戸数などの採択基準があり、事業化できるもの、できないものがあるのが悩ましい。たとえば老人ホームや公共施設がある所をまずは重点的に進めていって、最終的に整備率を向上させていきたい」と考えている。採択基準を満たさず要望があった箇所も「国の補助事業ほど潤沢ではないにしても、県単独事業費で対応していくと思う」と述べる。
本庁砂防課で10年の勤務経験があるだけに、大小さまざまな災害に対応してきた。なかでも昨年7月25日、九州北部豪雨での花合野川(由布市湯平)の砂防ダム現場で発生した建設会社社員2人の死亡事故は業界にショックを与え「今も鮮明に記憶に残っている」と話す。工事を発注した県は同日、県内12の土木事務所長など所属長に向けて「河川区域内で施工中の現場で、治水上の安全確保や作業員の退避など防災措置を適切に講じているか」改めて確認するよう指示、安全対策の徹底を図るよう通知した。森﨑さんは「その経験を糧にするだけでなく、後進にしっかり伝えるのが、これからの私の責任」と決意を示す。
三重土木事務所当時の建設会社社長が未だに頑張っていると笑顔を見せるが、一方で若い人材の確保は大きな課題の一つ。「課題解決のために行政・学校・業界が三位一体となって取り組んでいきたい」と力を込めた。
職員官舎で「寂しい一人暮らし」だが、休日は庭の手入れや草取り、花を植えたりするのが楽しみと話す、57歳。
豊後大野市を管内とした主要事業は、道路、河川、砂防などのインフラ整備や維持管理、計画など。一番のメインは三重新殿線BP(延長約10㌔)の道路改良事業を挙げる。中九州横断道路と国道326号を結び、市中心部の渋滞を緩和する循環型ネットワークを補完する重要道路だ。
現在の進捗状況は、最後の事業区間である牟礼前田工区(延長約3㌔)で3号橋の橋脚の基礎杭工を進めながら、大野川にかかる2号橋の上部工をできるだけ早く発注すべく入札手続きを始めている。また、完成済の上田原跨道橋から1号橋にかけて山の掘削および法面処理や、その残土を2、3号橋の建設地へ流用するなど今年度内に予定している。「完成までに時間はかかるが市全体の活性化を図れる上に物流の課題解決にもなる」と森﨑さんは指摘する。
市の面積の7割を山間部が占め、管内の土砂災害警戒区域は約400カ所あり、整備率は33%。県平均の30%よりも高いが多くの未整備箇所が残る。近年は豪雨災害が甚大になる傾向があり潜在的な危険が多いことから、いつ豪雨が降っても、臨機応変に対応できるよう日頃から危機管理を徹底するように着任時の訓示でも指示した。
地元の要望に対しては「公共事業には人家戸数などの採択基準があり、事業化できるもの、できないものがあるのが悩ましい。たとえば老人ホームや公共施設がある所をまずは重点的に進めていって、最終的に整備率を向上させていきたい」と考えている。採択基準を満たさず要望があった箇所も「国の補助事業ほど潤沢ではないにしても、県単独事業費で対応していくと思う」と述べる。
本庁砂防課で10年の勤務経験があるだけに、大小さまざまな災害に対応してきた。なかでも昨年7月25日、九州北部豪雨での花合野川(由布市湯平)の砂防ダム現場で発生した建設会社社員2人の死亡事故は業界にショックを与え「今も鮮明に記憶に残っている」と話す。工事を発注した県は同日、県内12の土木事務所長など所属長に向けて「河川区域内で施工中の現場で、治水上の安全確保や作業員の退避など防災措置を適切に講じているか」改めて確認するよう指示、安全対策の徹底を図るよう通知した。森﨑さんは「その経験を糧にするだけでなく、後進にしっかり伝えるのが、これからの私の責任」と決意を示す。
三重土木事務所当時の建設会社社長が未だに頑張っていると笑顔を見せるが、一方で若い人材の確保は大きな課題の一つ。「課題解決のために行政・学校・業界が三位一体となって取り組んでいきたい」と力を込めた。
職員官舎で「寂しい一人暮らし」だが、休日は庭の手入れや草取り、花を植えたりするのが楽しみと話す、57歳。