大分建設新聞

インタビュー

石和 徹也さん(日田土木事務所長)

2024年05月30日
熊本大学卒業後、1991年に入庁。日田土木事務所を初任地として、臼杵土木建設課長、中津日田道路建設室長、建設政策課企画調整監、臼杵土木事務所長、河川課長などを経て、今年4月から現職。
 日田土木事務所での勤務は1991年の新規採用以来、約30年ぶり2回目。第二の故郷であると語る日田市は「年間を通じてお祭りが多く、川開き観光祭などには昔から子どもたちを連れてきていたが、当時と比べてインフラが整った」と石和徹也所長は話す。新規採用当時の91年には、台風による風倒木災害、93年6月の降雨では多くの斜面崩壊が発生し、その経験が現在、危機管理の原点になっていると振り返った。
 これまでの経験で、特に印象深かったのは2018年1月、大分土木在職時に担当した宗麟大橋の開通で、開通式当日には約5000人が現場に集まった姿に感動した。「業界の認知拡大のためには、一般県民に伝わるインパクトのある開通式が重要」と強調した。
 管内主要事業の地域高規格道路「中津日田道路」では、「日田市のみならず県経済など多くの産業にその効果が波及するため、着実に推進していく」としつつ、喫緊の課題として1号トンネル(避難坑)の湧水に伴って、隣接する伏木地区の井戸の水位低下について挙げ「地域の人たちが安心できる対策を迅速に実施し、理解を得ることが最優先」と述べた。また、令和2年九州北部豪雨災害における天ケ瀬と玖珠の河川改修、地域復興との連携についても推進していく意向を示した。
 今後の方針として「異常気象や線状降水帯の発生など、頻発・激甚化する災害に対する県土強靱化」や「観光や経済、持続的な発展を支える社会インフラの整備、維持管理」について地域に応じた対策にも力を入れていきたいと語った。
 職員に対して「まずは、地域に足繁く通い、ニーズを把握して事業を進めてほしい」と地域の声が大切だと強調した。また「継続した業務を毎年そのまま続けるのではなく、年に一度は初心に戻り内容を確かめた上で進めることが大切」と述べ、会議や協議の進め方についても効率化を図り、働きやすく選ばれる職場を目指している。紙での決裁廃止などデジタル推進や業務改善にも力を入れる。
 建設業界に対しては、昨年の河川課長時代から日田支部の迅速な対応や団結力に感謝しており「業界と一緒に人材確保、育成、魅力発信を進めていきたい」と述べた。「1社では入ることが難しいが、建設業界として小中学校にキャリア教育を提供し、教育委員会とも連携をしていきたい」と展望を話した。
 趣味は魚釣り。「今までは海釣りをしていたが、アユ釣りに頑張りたい」と笑顔で語った。大分市出身の55歳。
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