大分建設新聞

インタビュー

田中 アイさん(イメージアップコンサルタント)

2024年06月11日
 大分市生まれ。大分舞鶴高校から福岡市の短大卒業後、保育士、子供服の接客、ラジオのパーソナリティや司会業を経て、イメージアップコンサルタントへ。
 田中アイさんは、10年ほど前から建設業界に対して、イメージの大切さを説いている。ややもすると「どういうこと?」と疑問が沸いてきそうだが、田中さんの講演やセミナーを聞くと、ふに落ちる。
 建設現場について「かつては技術力が中心。師弟関係のなかで仕事が進んでいて、技術を盗むといった一面があった。今の時代はそうはいかない。良好なコミュニケーションなくしては仕事はうまく運ばない」と強調する。そして大切なのは第一印象のイメージと言い切る。
 「初対面はもちろん、毎朝の始業時の第一印象はとても大事なんです。なんとなくあいさつするのではなく、相手は今日どういう気持ちなのか、よく考えることが必要です。時間があれば雑談して、相手が今どういう状況なのか。気分が落ち込んでいないかなどと考えてみる。それが安全につながるんです」。
 建設業界とつながりができたのは、女性起業家の集まりに参加するなどイメージアップコンサルタントを始めて数年後。集まりを主宰する団体との縁から、県内建設業界の安全講話でスピーチする機会を得た。
 「建設業界のことはほとんど知らずに始めたんです。どういう風に話したら伝わるのか分からなかった」と振り返る。数を重ねるごとに建設業界に馴染んでいった。しばらくすると会場で現場の女性が増えていくのに気付く。
 「女性活躍が求められていることが分かってきて、会場でもユニフォームを着た女性がみられるようになっています」と話し、建設業の変化を感じている。
 建設業の安全講話で、従業員と直接、話をする機会は少ないが、ある企業の社内研修で安全講話をすることがあり、現場の女性従業員と話すことがあった。「一段と、建設企業は女性の比率も高く、仕事に対して熱い思いがある人も多いですよ」と印象を語る。
 今は、全国各地で安全講話や安全大会でスピーチを行っており、47都道府県の3分の2ほどまで拡大している。安全講話や安全大会がピークの6、7月には全国を飛び回る中で、1週間ほど大分市内の自宅に帰れないこともたびたび。東北地方は「真面目だが、自らを積極的に表現しない人が多い」などといった地域性があり、大分県については「一般的に最初は心を開いてくれないが、打ち解けるととても深い関係づくりができる」と見ている。
 福岡市内で保育士を勤めた後、大分に戻り、ラジオ局のフリーアナウンサーやイベントの司会など、人前で話をする経験から笑顔や立ち姿の大切さを学ぶ。そこで心理学などの書籍で独学した上、これまでの経験をまとめてイメージアップコンサルタントの名称で活躍している。
 常に華やかな雰囲気を漂わせ豊かな表情で会話する。その姿からコミュニケーション力が飛び抜けた印象があるが、意外にも営業が苦手だという。「自分から声をかけて売り込むことができないんです」と謙遜すると同時に「頂いた仕事は一生懸命やります」と微笑んだ。
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