大分建設新聞

インタビュー

谷川 征嗣さん(大分河川国道事務所長)

2024年06月19日
1989年入省。九州地方整備局道路部道路保全企画官、同道路部道路工事課長、北九州国道事務所長などを経て、4月から現職。
 大分県の勤務は初めてだが、何度も仕事や観光で訪れている。しかし、仕事や観光で訪れる大分と、居住する大分では印象が変わったらしい。市内でも山地が多いことに驚き、住み始めて県内各地へ足を運ぶと、観光と文化も含めて豊かな土地だと感心している。
 事務所の主要事業は、まず、豊かな山地を通る三光本耶馬渓道路で唯一となる未開通区間「青の洞門・羅漢寺IC―本耶馬渓IC間」の早期開通を挙げる。「昨年度、田口ICから青の洞門・羅漢寺IC間が開通し、すでに開通していた区間も含め、交通量が増えている。IC近くにある道の駅耶馬トピアの来客数も増えたと聞いている。早期開通を目指して、取り組んでいく」と決意を語った。また、国道10号高江拡幅と国道210号横瀬拡幅についても、地域活性化のために整備を推進していく。
 近年、頻発する豪雨災害対策で、管内の大分川と大野川の河川整備も重要になる。「両河川の下流域には、県都大分市と臨海工業地帯があり、県都のさらなる発展のために水害を防ぐことが重要であり、河川の断面確保が大切。河道掘削や樹木の伐採、堤防強化などにも取り組んでいる」とし、道路事業とともに河川事業についても力を入れている。
 今までに関わった事業で記憶に残るのが、北九州国道事務所長時代に取り組んだJR鹿児島本線上にバイパスの跨線橋を架設する工事だという。架設時間が約100分と制約のある中、3000㌧級クレーンで線路上に約400㌧の橋桁を一括架設した。「事前準備はもちろんのこと、架設中も気が抜けなかった。近隣住民も多く見学に来ており、注目度の高さがうかがえた。とても思い出に残っている」と話した。
 建設業界については、担い手不足を危惧している。「インフラの整備や維持管理、災害対応など感謝している。地域の守り手である役割を継続していける業界でありたい。よりよきパートナーとして、働き方改革や生産性向上、担い手確保など一緒に取り組みたい」と協力を惜しまない。
 事務所運営では、風通しのよい職場づくりを心掛ける。「コミュニケーションを図り、地域の期待に応えられるよう信頼される組織をつくっていきたい」と語った。
 休みの日は、県内各地で歴史的な建造物を歩いて見て回っている。車より、歩くからこそ新しい発見があるという。野球をしていたこともあり、事務所にある野球同好会への参加を考えている。宮崎県延岡市出身の57歳。
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