中野 和奏さん(県建設技術センター)
2024年06月27日
中野和奏さんが中学3年生の時のことである。2017年7月、住んでいた日田市を豪雨が襲った。通っていた中学校の建物や友達の家が水に浸かった無残な姿を晒していた。衝撃的な光景に息をのんだ。以前家族と遊びに行っていた小野地区のプールも被害に遭う。最終的に3人が亡くなるという大災害となった。
進路で悩んでいた時期だった。この災害をきっかけに地元貢献したいと土木の道を選択。大分工業高等専門学校都市・環境工学科に入学した。
「部活で後輩の面倒見が良いと言われて教員を勧められていましたが、元々、理科が好きでさらに勉強したいと思っていたんです」。そこに豪雨被害の悲惨な出来事が決め手となった。
通学のため大分市にある高専の寮に入居して一から土木を学ぶ。就職先に県建設技術センターを選んだのは母親からの勧めで、同高専出身者2人が就職していたこともあった。ただ、建設業界はブラックとか3Kというイメージがあったのも事実だったが、県外でなく地元が良いという思いも強かった。同センターでは3人目の女性技術職だった。「今は長く使われるもの、地図に残るものを作れる。そんな地域の役に立てるものをつくっている重要な仕事だと思っています」。
入社して1週間ほどで積算業務を任された。大分市坂の市、大在付近にある塩害で劣化した橋梁補修の積算だった。不安でしかなかった。無論、一人でできるはずもなく、先輩から丁寧な指導を受けながら半年ほどをかけて終えた。
自分が積算した現場が動いているとうれしくなるという。2年目に入ると、立て続けに複数の仕事を任されるようになった。
昨年9月から県建設産業女性活躍推進事業(ブロックス)に参加した。ブランドマネージャーコースに所属して、SNSで建設業の情報発信を学んだ。自分の職場の広報業務に携わりたいという思いからだった。
セミナーには同世代の建設業の技術者や事務職が参加しており、向上心がある女性ばかり。それぞれが自分の会社でやりたいこととか、感じていることが伝わり良い刺激になったという。
3月に開かれたブロックスの成果発表会では発表者の一人になった。会場には高校生や大学生も招かれていた。
「実は建設業はブラックとか3Kという話は多く聞いていて、正直働くことが楽しみではなかったが、入ってみて積算業務などで貢献できるのがうれしかった。若い女性がポジティブに考えてもらえればと思ったんです」と振り返る。
発表会ではインスタレーションで建設業界を発信していくことと、小中学校に建設業に関する新聞を貼り出して、子どもの頃から建設業の素晴らしさをアピールすることを提案した。
「子どもたちにもっと建設の素晴らしさを知ってほしいんです。そのために活動していきたい」。中野さんの思いは一途である。
趣味は中学時代から続けている卓球とピラティス。家族は両親と大分高専に通っている弟がいる、22歳。
進路で悩んでいた時期だった。この災害をきっかけに地元貢献したいと土木の道を選択。大分工業高等専門学校都市・環境工学科に入学した。
「部活で後輩の面倒見が良いと言われて教員を勧められていましたが、元々、理科が好きでさらに勉強したいと思っていたんです」。そこに豪雨被害の悲惨な出来事が決め手となった。
通学のため大分市にある高専の寮に入居して一から土木を学ぶ。就職先に県建設技術センターを選んだのは母親からの勧めで、同高専出身者2人が就職していたこともあった。ただ、建設業界はブラックとか3Kというイメージがあったのも事実だったが、県外でなく地元が良いという思いも強かった。同センターでは3人目の女性技術職だった。「今は長く使われるもの、地図に残るものを作れる。そんな地域の役に立てるものをつくっている重要な仕事だと思っています」。
入社して1週間ほどで積算業務を任された。大分市坂の市、大在付近にある塩害で劣化した橋梁補修の積算だった。不安でしかなかった。無論、一人でできるはずもなく、先輩から丁寧な指導を受けながら半年ほどをかけて終えた。
自分が積算した現場が動いているとうれしくなるという。2年目に入ると、立て続けに複数の仕事を任されるようになった。
昨年9月から県建設産業女性活躍推進事業(ブロックス)に参加した。ブランドマネージャーコースに所属して、SNSで建設業の情報発信を学んだ。自分の職場の広報業務に携わりたいという思いからだった。
セミナーには同世代の建設業の技術者や事務職が参加しており、向上心がある女性ばかり。それぞれが自分の会社でやりたいこととか、感じていることが伝わり良い刺激になったという。
3月に開かれたブロックスの成果発表会では発表者の一人になった。会場には高校生や大学生も招かれていた。
「実は建設業はブラックとか3Kという話は多く聞いていて、正直働くことが楽しみではなかったが、入ってみて積算業務などで貢献できるのがうれしかった。若い女性がポジティブに考えてもらえればと思ったんです」と振り返る。
発表会ではインスタレーションで建設業界を発信していくことと、小中学校に建設業に関する新聞を貼り出して、子どもの頃から建設業の素晴らしさをアピールすることを提案した。
「子どもたちにもっと建設の素晴らしさを知ってほしいんです。そのために活動していきたい」。中野さんの思いは一途である。
趣味は中学時代から続けている卓球とピラティス。家族は両親と大分高専に通っている弟がいる、22歳。