大分建設新聞

四方山

駅前開発

2024年07月19日
 実家が大分駅前の市街地に比較的近いこともあって、商業施設や公園によく出掛ける。最近、特に北口周辺エリアでマンションなどの建設現場を目にする。看板やパンフレットなどを見ると、決して安いと言える物件ではないが、どういう方が住もうとしているのか興味津々だ▼40年以上にわたり大分から離れて暮らしていたので、街の様子が変わったことに日々驚いている。郊外には次々と商業施設ができてにぎわった一方で、市街地の商店街にはシャッターが閉まったままのところやテナントがなかなか入らないビルもある。これからは郊外の時代かと思いきや、大分駅南口周辺エリアがきれいに整備され、今は北口周辺エリアの再開発で変化は著しい▼思い出をたどると、幼少の頃は大分駅近くのデパートや商店街に行くことが楽しみだった。おもちゃを買ってくれとせがんでは「我慢せえ」と言われるのが常だったが、それでも立ち寄った店の近くにあったラーメンやお好み焼きの店でおいしく食べていた。時の流れは速いもので、それらの店は全てなくなった▼しかし、去る者もあれば来る者もある。コロナ禍前に新幹線と特急に乗って帰省した時に驚いたのは大分駅ビルの変貌だ。大きな商業施設と一体になり、最新の映画館もできていた。東京でもよく目にしていたブランドショップもテナントとして入っている。流行を追うよわいではなくなったが、今も時折、品物を見に立ち寄る▼高層マンションが立ち並ぶ新しい大分駅前での生活スタイルはどのようなものになるのか。ほぼ徒歩で日常を送ることができるのは年齢が高めの方にも魅力的だ。鉄道との密接な連携も求められている。理想的なのは、利用客の足が駅から商店街、デパートなどへと続く流れができること。その行く末を見ていきたい。(康)
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