大分建設新聞

四方山

虫の世界へ

2024年08月19日
 夏休みも終盤、子どもたちの昆虫採集の成果はいかに。昔は、麦わら帽子に半ズボン、捕虫網を片手に、虫籠を提げてカブトムシやクワガタを採集に追いかけたものだが、最近は珍しい虫が専門ショップやネットでも手に入るから便利になった。世界の昆虫の幼虫、成虫がオジさんのお小遣い並みの価格で取引されているので、ターゲットは子どもに限らないようだ▼近年、虫でニュースになるのはセアカゴケグモやマダニ、ヒアリなど、不用意に触れると死に至る危険生物ばかり。これでは子どもに与える虫のイメージも悪化の一途をたどると言えるかも。そこに虫好きには朗報だ▼県立美術館で開催中の「虫展~みて、かんじて、そしてかんがえよう」が15日、来場者数が2万人を超えたと発表された。同館で過去開催されたコシノジュンコ、ポケモンなどのコラボ展に迫る勢いだ。養老孟司氏蔵の標本と、深度合成技法という最新技術を駆使した被写体の全ての部分に、ピントが合う写真などで虫の世界へと誘う。体長約3㌢のオオゾウムシが縦約5㍍の写真に拡大され、脚先の爪や複眼の一つ一つまではっきり観察できると評判だ(観覧料:一般1200円、高校・大学生1000円、中学生以下無料。会期は25日まで)▼虫好きの筆者は、九州大学総合研究博物館の丸山宗利准教授の仕事も見逃せない。総監修した『学研の図鑑LIVE 昆虫』は従来の図鑑が標本写真だったのに対し、2800種の昆虫を収録し全てを生きたまま撮影したという労作。また、やはり監修した『虫・全史』(日経ナショナルジオグラフィック刊)は「地球の真の支配者たらしめる数多くの理由」(紹介文より)について640㌻にわたって紹介する▼夏休みの締めくくりに親子で虫の世界に飛び立ってみてはいかが。(コデ)
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