大分建設新聞

インタビュー

幸 勝美さん(大建協別府支部長)

2024年09月13日
 今年4月の大建協別府支部総会で、新しく支部長に就任した幸勝美支部長(69)。「学生時代は体を動かすことが好きだったので、体育の先生になろうと思っていた」と笑う幸支部長は、㈱幸建設(別府市石垣東)の会長、また、県建築士会の会長でもある。新支部長就任に当たっての思いや、業界の課題などについて話を聞いた。
 父が創業した会社や仕事の様子を見ていたので、建築は常に身近にあった。主に木の良さを生かした戸建て注文住宅を手掛けており「職人さんたちとも親しかった」と話す。「だからといって家業を継ぐ気はなく、普通科高校に進学した後は体育の先生を目指す」つもりだったが、「給料が安いぞ、などと親から諭され、それじゃあ、といった感じで建築の道に進んだ」と苦笑する。
 福岡大学工学部建築学科を卒業し、最初に就職したのは長崎県の建設会社だった。「現場の管理技術者として汗を流していた。体力にも自信があり、やりがいを感じていた」と語る。この職場で、伴侶の奥さまにも出会った。
 結婚や親の体調面など複数のきっかけが重なり、1980年に帰郷した。「この時点で、家業を継ぐ決意を固めた」と話す。とはいえ、そこから15年程は毎日現場に出る日々。本社の移転や組織変更などを経て、98年、社長就任、2022年に会長となった。現在、会社は社員12人で構成する。
 別府支部の特徴について訪ねると「歴史の長い企業が多い。スムーズな世代交代が着実に進められ、経営陣の若返りについても積極的に行われている印象がある」と語る。また「地域に根差す建設業においては、地元の人間を地元で雇用し、地元の資本整備を自分たちの手で行い、手を取り合って地域を守る。そんな協会組織でありたい」と続けた。
 業界の課題については、やはり人手・技能者不足などが挙げられた。加えて、「公共事業はやはり土木関係の仕事が中心。建築よりも土木の方が『災害からの地域の守り手』として、しっかりと公共機関から認識されているように思う。建築業界は比較すると民間の仕事が多く、対企業間の交渉が多い。しかし、建築も土木と同じく、高い技術と工期の厳守が求められる専門工事業。土木・建築の両方において、国や県への要望活動を実施していきたい」と、思いを込めて語った。
 趣味は、20代から続けているゴルフ。いまも月に1度のペースでドライバーを握る。また、ドライブにもよく出掛けるらしい。
 「奥さんと年に何回か、長崎まで行く」と笑う幸支部長。「愛妻家なんだな」と、ほっこりした気分でインタビューを終えた。
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