大分建設新聞

ニュース記事

年末年始の労災防げ 建災防が研修会、安全パト無料

行事・講習会・表彰大分地区
2024年11月22日
 建設業労働災害防止協会県支部(友岡孝幸支部長)は先に、大分市内で2024年度安全指導者研修会を開いた。労働災害が多発する年末年始を迎え、死亡労働災害を根絶するのが狙い。
 研修会には、県内各社の代表や安全指導者など約40人が出席。大分労働局健康安全課の嶋田高彰課長が、労働災害による建設業の送検事例を挙げたほか、建災防本部の福元英幸安全管理士らによる講話があった。
 また、前日には福元安全管理士による自然災害からの復旧・復興工事安全衛生確保支援事業の現場パトロールが、大分川と大野川で施工する利光建設工業㈱の2現場であり、建災防県支部の石川雅久専務理事のほか、県内建設企業で組織する県建設労務安全研究会の会員10社が参加した。
 大分川の宗麟大橋河川敷の現場では、同社の髙木一将監理技術者から工事概要の説明を受け現場内を視察。改善点などを指導し、現場指導とワンポイント安全衛生教育を行ったことを証明する事業実施証明書を交付した。
 研修会の送検事例は次の通り。(一部抜粋)
▽木造家屋の棟上げ作業中に約3㍍下のコンクリート土間の上に墜落した災害で、事業者は、作業場所が墜落の恐れがあり、足場を組み立てるなどにより作業床を設けることが困難であった。そのため梁と梁との開口部に防網を張り、労働者に要求性能墜落制止用器具を使用させなければならないのに、その措置を講じなかった
▽地すべり防止対策工事現場で、ボーリングマシン設置のために敷いていた足場板14枚を鉄製バケツに入れ、つり上げ荷重4・9㌧の移動式クレーンでつり上げ、集水井の外に出す作業をしていたところ、集水井の上部1・2㍍のところで右旋回した際、荷揺れが生じ、バケツの中に入れていた足場板全てが集水井の中に落下して、集水井の中で玉掛け作業を行った労働者を直撃して死亡。死亡した労働者は、玉掛け業務に係る技能講習を終了しておらず、事業者は、玉掛け業務の資格を有しない無資格労働者を玉掛け業務に就かせた
▽足場解体作業中に、労働者が単管足場の4層目からはしごを使用して地上に降りようとしたところ、はしごが傾き約7㍍墜落して死亡した。足場の組み立てなど作業主任者として選任されていた現場責任者が、作業の進行状況を監視していなかったもので、事業者は、作業主任者に職務を行わせていなかった。
フォトコン結果発表
取材依頼はこちら
環境測定センター
arrow_drop_up
TOP