大分建設新聞

インタビュー

穴見 保雄さん(亀の井ホテル社長)

2007年05月22日
 全国700店に及ぶジョイフルの創業者であり、現在は(株)亀の井ホテル(大分市)の社長としてホテル戦略の指揮を執る穴見保雄さん(72)。今年に入って積極的な展開に打ってに出た。手持ちホテルのうち6店を不動産ファンドに100億円で一括売却し、その資金で今度は10店を21年までにオープンさせるという思い切った戦略である。「現在の売上高40億円を2年後には100億円まで持っていく」という穴見さんの企業家精神の真髄について聞いた。  「私も70歳を超え、企業家としてあと何年ぐらい働けるだろうかと考えてみた。答えは10年の中期計画が限界。その10年間に何をやるか。2年後の売上げが100億円、10年後にはこれを500億円まで持っていけないかというのが私の計画だ。ホテル数では西日本中心の展開で100店はいきたい」と大構想を微笑みながら語る。すでに2年後までの計画は具体化しており、北九州市八幡東区で客室数350室の大型ビジネスホテルの建設にかかったほか20年までに福岡市、熊本市などで6店を建設、開業する。「ビジネスホテルといえば駅周辺や繁華街周辺に固まっているというイメージがある。もっと郊外にあってもいいんじゃないかな。福岡の郊外、和白に建ててみたが、利益も出ており、ニーズはあるとみた」。穴見社長の言葉の意味は深い。一つの仮説を立て、実験をしてみる。その実験結果を推考し、これなら本気でやれると判断したら一気に展開する。この仮説と実験の繰り返しでジョイフルを急成長させ、普通の観光ホテルだった亀の井ホテルを一躍広域ビジネスホテルに作り替えた。  亀の井ホテルのシングル料金は4000円台と周囲のビジネスホテルより1、2割は安い。「設備産業のホテルは資本効率(投資効率)と労働効率をいかに上げていくかが勝負。シングル4000円台で十分利益を出せるシステムができたからホテル展開も可能になった」と穴見さん。70代に入ったとはいえ、その企業家エネルギーはますます盛ん。  仕事、仕事の毎日の中でどうやって自分をリフレッシュしているのか?。「若い頃はずいぶん本を読んでいたが、今はやっぱり仕事かな。仕事の緊張感が楽しいんだ」。なるほど、納得するしかない。社員や若い人にかけるとすれば、どんな言葉を? 「自分に対して年の取り甲斐のある人間になれるよう、仕事はもちろん全てに頑張りなさい」。  穴見さんが言うと言葉が重くなる」。




フォトコン結果発表
取材依頼はこちら
環境測定センター
arrow_drop_up
TOP