大分建設新聞

インタビュー

小野 啓一(おの・けいいち)さん(佐伯土木事務所長)

2007年06月06日
 着任早々管内を一巡した。「昔のままの風景が迎えてくれた。改めて自然あふれる佐伯に戻った実感がわきましたよ」。20代後半に勤務して以来28年ぶりの佐伯の印象を懐かしそうに語る。  「想像以上にひどい国道217号の朝夕の渋滞に道路整備の遅れを感じるし、近年立て続けに浸水被害を受けるなど、社会資本整備が差し迫った課題の地域だと思う。現場主義に徹し、地元住民と顔をつきあわせ、皆さんが納得できる対応を心掛けていきたい。土木事務所は、地域、住民の安心・安全を進めていく最前線に位置している。市や国(佐伯河川国道事務所)と歩調を合わせ、職員一丸となって、未来を語れる佐伯づくりのお手伝いをしたい」と抱負。  県庁勤めの大半を河川・砂防関係に従事。自他ともに認める防災のプロ。とりわけ、平成3年と5年に日田地方などを襲った台風による風倒木被害対策で、2次災害を防ぐため6年度から日田土木で実施した激特砂防事業を任された。いつ発生するかわからない、大量の流木を伴った土石流を防ぐため、運用面がはっきり決まっていないスリットダムなどを含め3年間で100ヵ所を越える砂防ダムを設置した。「それこそ部下と一緒に寝食も忘れ打ち込んだ。日田の方々が安心して暮らせることに少しは貢献できたのではないか」と思い出を語る。  確かに課題は多い。事業は17年に策定された『おおいた土木未来(ときめき)プラン2005』に沿って進める。ざっとみても、東九州自動車道と、そのアクセス道路の国道217号(佐伯弥生バイパス)、県道佐伯津久見線や国道388号の整備促進、国が進めている佐伯港14m岸壁の整備に関連した佐伯港湾環境整備事業と、目白押し。ほかにも、床上浸水対策事業(旧堅田川、津志河内川)、河川災害復旧等関連緊急事業(山口川)、砂防事業(山の神川ほか)、急傾斜地崩壊対策事業(狩生地区ほか)などがある。  「仕事は一人でできるものでない。困ったときに、まずは相談できる仲間、アドバイスがもらえる上司、一緒に対応してくれる課長・所長との人間関係が自然と生まれるような職場をみんなで作ってほしい。もちろん地元の方々との対話に力を入れ、現場主義に徹して仕事にあたってもらいたい」と、職員に求める。  旅行、登山、バレーボール、野球から囲碁、将棋と多趣味。好きな言葉は「不言実行」「忙中に閑あり」。大分市の自宅から1時間半ほどかけ通勤。




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