大分建設新聞

インタビュー

今冨 壽一郎 さん(福岡県吉富町長)

2007年08月21日
―就任して間もなく4ヵ月。中津は隣町で、経済的、人的つながりが深く、大分の県北の人たちも、吉富の動向には注目しています。なかなか難しい舵取りと聞いていますが、一番の課題は合併問題ですか?。福岡県としては、豊前市との合併を求めているようですが…。  今冨 確かに県からは、豊前市との合併を勧告されています。しかし、私は豊前との合併には慎重な考えを持っており、合併推進派だった前の町長と選挙で戦った結果、町民の総意を受け、私が新町長に選出されたわけです。豊前との合併問題は、もっと町民の声をしっかり聞いて、慎重に対処すべきだと、選挙で訴えたことでもあり、町民の皆さんが、どう判断されるか、これからも慎重に対処します。ただ、町民の総意で、現状では豊前市との合併は難しい状況ですね。 ―就任以来、町長自ら足を運んで町内各所を回り、住民との意見交換会を開いていると聞いていますが。  今冨 行政懇談会で住民の皆さんのご意見を聞いてまいりました。8月中には、合併についての一定の方向を出すつもりです。 ―町民の意向を踏まえて、これから町づくりをどう進める考えですか。  今冨 結果はどうであれ、私自身が強く思っていることは、まず人口を1万人に増やすことです。人口を増やすということは、つまりは産業振興に力を入れて町の経済力を高めるなど、総合的な施策が必要ということになります。少子高齢化対策や団塊世代の活用策はもとより、インフラ整備や都市計画見直しによる秩序ある町づくりを進め、町に活力を呼び込む。JR吉富駅周辺整備事業も大きな課題です。もちろん行財政改革にも、気合いを入れて取り組まなければならない。山積している問題を、一つひとつ町民の皆さんが良いと思う方向で検討、解決していき、安心して暮らせる町にしたいと考えています。  〈吉富町は山国川を挟んで、中津市の対岸にある人口7300人ほどの、農業と漁業が中心の町。町内に三菱ウェルファーマー(旧吉富製薬(株))があり、法人税や従業員(約700人)からの税収で、財政は比較的豊か。中津市のベッドタウンとして人気が高い。ゆえに周辺の市町村が“結婚(合併)相手”にと、切望している。前町長の町政が長く続き、平成の大合併の時、現在の上毛町(こうげまち)との合併問題が行き詰まり、周辺で唯一独自の道を歩んでいる。今富町長(55)は中津南高出身。〉 略歴  大学卒業後、東京の商社に4年間勤務した後帰郷し吉富町農協に勤務。平成7年から18年まで町議会議員を経てこの4月、現職。




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