大分建設新聞

インタビュー

佐藤 陽一さん(日田市長)

2007年09月06日
 激戦の末、現職市長らを破って当選。8月5日、日田市の新市長に就任した。日田に生まれ育ち、大学を出て県入り。長らく県の中枢から行政を見つめ、満を持して故郷の”現場”に戻った。  「就任して間もないのでコメントのしようもないが、県の企画振興部にいた時よりも、仕事がぐっと身近に迫ったような気がする」と現場の空気を実感している。日田市も、衰退する地方都市の例外ではない。「かつて隆盛をきわめた日田の林業も、外国材に押されて木材価格は低迷が続き、その結果、製材業の規模も縮小している。経済が低迷すれば商店街もさびれてしまい、シャッター通りが目立ってきた」と佐藤さん。  佐藤さんが新市長に就任する前の今年3月、日田市は将来都市像を「人と自然が共生し、やすらぎ・活気・笑顔に満ちた交流都市」とする第5次日田市総合計画「つなぐ、つなげる”ひた2007”プラン」をスタートさせた。日田の新しいまちづくり計画(新市建設計画)だが、これは17年の日田市、天瀬町、大山町、上津江村、中津江村、前津江村の1市2町3村の合併協定がベースになっている。新市長はいきなり大計画の先頭に立つことになった。  「合併したことによって日田は文字通り”水の故郷”になった。筑後・佐賀平野を貫く筑後川の上流域に位置する水郷都市だ。ここからさまざまな日田の”食”を提供したい。また観光にも力を入れる。天ヶ瀬温泉だけでなく日田市中心街を流れる三隈川沿いの隈温泉をもっとアピールして観光客を呼び込む」。佐藤さんの頭の中には、すでに具体的なアイデアがいっぱい詰まっているようだ。  もうひとつ日田市にとって重要な施策を佐藤さんは進めている。県外からの企業誘致だ。現在、三和酒類が工場進出している山林地区(ウッドコンビナート)を受け皿にしていくつかの企業に働きかけている。「詳しい話はまだできないが、すでに具体化している企業もある」という。日田のトップに立って間もない佐藤さんだが、すでに全力疾走に入っている。 略歴  46年、九州大学法学部を卒業して県入り。県総務部参事、企画振興部長などを経て今年退職。8月、日田市長に当選。58歳。




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