大分建設新聞

インタビュー

神田真美さん(藤丸建設(有))

2007年11月20日
 今回は、大工さんの世界ではまだ珍しい女性棟梁の登場。  取材相手が棟梁と聞いたときは、女性とはいえ頭は角刈り、足にはブーツならぬ地下足袋を履いた姿を想像して現場に向かった。  だが、目の前に現れたのは、法被こそ身にまとっていたものの社長秘書のほうが似合いそうな美人だったからびっくり仰天。  まずはその美人棟梁に、大工の道を選,んだきっかけを聞いてみた。「高校(大分工業)で建築設計を学び、最初はゼネコンの設計部門に就職したのですが、内勤が性に合わなかったんです。たまに現場に出かけたとき、描くより造る方がおもしろそうと思ったので転向しました」とのことだ。  記者には設計の方が似合ってるように思えたが、「大工の仕事を始めてからは設計はしていません。今の仕事が楽しいし、やりがいがありますから」と言う言葉からは、悔いは感じられない。棟梁になって9年間、すでに20棟以上を手掛けた実績がそれを証明している。  女性だから嫌がらせを受けたりしなかったかのか。「むしろ女性で得することの方が多かったですね。特に、お客様の希望や要望は、施主の奥様からのものが多く、女同士だから相談しやすいと言われます」と神田さん。職場にはもう一人女性棟梁がいて、弟子にも女性がいるという恵まれた環境も快適なのかもしれない。  それでも、「悩みはあるでしょう」と言うと、「図面は間違えても、消して書き直せますが、今の仕事はやり直しがきかないので苦労はあります。若い頃に、墨つけを間違えて棟上げで皆さんに迷惑をかけたときは泣きそうになりました」。  夢は何。「いつか、自らの設計施工で自分の家を建てたい」と返ってきた。二人の愛の巣かと突っ込むと、「完成までには相手を見つけないといけませんね」と恥ずかしそうに笑った。  仕事に追われて、出会いの機会がないそうだ。たまの休みも家の大掃除でつぶれるとか。男性諸君、今がチャンスかも。




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