大分建設新聞

インタビュー

櫻井隆義さん(測量機械・OA機器の古城〈大分市〉)

2007年11月20日
 建設現場には欠かせない測量機械や、コピー機などOA機器の販売会社として55年の歴史を持つ老舗である。最近では、建設土木用CADシステムの東証一部上場企業、福井コンピュータの主要取引店として九州トップクラスの販売会社に成長した。  「苦しいときもあったが、みんなで結束して頑張ってきた」と三代目の古城一社長。初代社長の時代から蕫番頭役﨟で会社を見守ってきた営業統括部長の櫻井隆義さんの話では、OA機器の主な納入先だった県庁にキヤノン製品がどっと入ってきた頃が「いちばん苦しかった」という。「パソコンが導入されはじめた頃、官公庁から民間市場への開拓に取りかかったが、ライバルのCADの専業会社との競争は本当に大変だった」と櫻井部長は当時を振り返る。  しかしそこから同社の市場を先取りする新規分野への挑戦は始まった。建設業・設計事務所向けの専用CADシステムをはじめ土木、測量機器用のソフトなど最先端技術を持つ多彩なメーカーの商品を積極的に手がけ、販路を大きく広げた。「以前はコピー機などOA機器が売上げの大半を占めていたが、蕫顧客本位の会社﨟に変えた今はOAが40%、建築用、土木用CAD関連30%、測量機械30%の割合に多様化している」と櫻井部長。販売先分野も民間が60%を占め、残りが官公庁に変わった。  同社の営業の持ち味は、コンサルティング営業能力の高さだ。社員22人(男16人、女6人)のうち半数以上が技術資格保持者。単に売るだけでなく、納入前のシステム構築から納入後の操作指導までのフルサポート体制を確立している。さらに最近では、コンクリート調査・診断専門の(有)構造診断技研(本社・大分市)と契約し、ビル・マンションの傷み具合がわかる設備調査や診断のビジネスにも乗り出した。「今後は、耐震対策の視点から建設業界にアピールしていきたい」と櫻井部長。  古城には『理想の社員七箇条』がある。健康であれ、積極的に意見を出せ、自己研鑽を重ねよ、闘争心を持て、前向きで会社に良い影響を与えよ、感謝を忘れるな、チャレンジ精神、の7つ。いずれもその通りだが、注目されるのは社員についての考え方。「会社の成長源は人材。社員は価値を生み出す財産、コストではない」。ここから新規分野に果敢にチャレンジする姿勢が生まれ、同社の成長が続いているのだ。




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