大分建設新聞

インタビュー

山本 公一郎 さん(47)(大野地方振興局 林業改良指導員)

2007年11月20日
 県職員が自主的に開発している「根株炭」。治山、林道工事の際に出るやっかいもの、支障木の根株を炭に変えて利用するのだ。林業分野や土木関係の産業廃棄物を減らすだけでなく、水質浄化や脱臭効果、インテリアへの利用策として炭化処理を試みている。山本さんは、その第一線で開発に取り組む。  「現場で出る木の根株は、『自ら利用』で坑木に使ったり、表土の流出を防ぐため、法面の丸太筋工の背後に細切りにした根株を置くなどの処理をする以外は産廃物として経費をかけて処理している。支障木を産廃物として焼却処理するとトン当たり二万円ぐらいかかるので、何か有効利用は出来ないものかと考え、炭にすることに目をつけました」と動機を話した。  試行錯誤の繰り返しだった。「初めは、根株の重さが約100kgほどあって形も複雑なため、焼くとどうしても原形をとどめなかった。そこで、十五年度に竹田市神原に設置した新型の大型鋼鉄板炭化処理窯(通称フレスコ窯)で、根株の間に竹を詰めたりするなどの工夫をし、500~700度で四十八時間焼いた結果、根の一部で土砂を噛んでいて事前に取り除けなかった部分は一部根燃え(未炭化)になったが、ほぼ形をとどめた根株が焼き上がった。それを飾り物として農林水産部長室に贈った時は大変喜ばれましたよ」と笑みを浮かべた。  「フレスコ窯は、廃材を現地で炭化処理する優れた移動式大型窯なので、環境改善に活用できる低単価の炭づくりが実現可能になった。あとは窯の購入、整備母体をきちっとし、森林土木だけでなく将来は全ての現場にレンタルできるシステム確立を考えていくことと、排水施設に利用するなど炭を環境保全に活用することも考えています。根株炭が、県が推進する『ごみゼロ作戦おおいた』の一助になればと思い、これからも頑張りたいですね」と意欲満々だ。




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