大分建設新聞

インタビュー

間地 景一郎さん(自然林復元工法研究会専務理事)

2007年11月24日
 外来種の繁殖を防ぎ自然環境復元を促す工法の普及を目指してこのほど、県内の造園業者や学識経験者が自然林復元工法研究会を立ち上げた。  間地さん((株)豊樹園の社長)は、会の発起人で工法の開発者でもある。法面の浸食防止工事などに長年携わってきた。「外来種で施工すると植生回復がなされないまま裸地化や法面のガリ浸食が始まるケースがありました。永続的な法面の安定には在来種の樹林化が好ましいと思って工法を開発しました」ときっかけを話す。  大分スポーツ公園の法面工事で初めてこの工法が採用され、有効なことが確認された。その後、ウッドチップでマルチングするなどの改良を加え、平成17年には県の地場産業育成モデル工事の指定を受けた。  「間伐材や現場の伐採木をスティック状にチップ化して、法面に吹き付けると法面が安定し、多孔質のチップが保水・保温効果を発揮するうえ、土中生物の住処にもなります」と間地さんは自慢する。  環境にやさしく経済的など、ほかにも利点はたくさんあるが、中でも維持管理の必要がないというところが最大の特長のように思えた。「なにもしないことこそが自然林復元につながるんです」と間地さん。言われてみれば納得。  間地さんが目指すものは、「工法が普及し、地球温暖化防止に少しでも役に立てればと思う。研究会を立ち上げたのは、多くの人から知恵を借りて工法をもっと発展させたかったからです。自分の考えだけでは限界がありますから」と語る。  大分市小野鶴に奥様と次男、犬2頭と暮らす。休みの日はゴルフや麻雀で過ごすこともあるが、もっぱら道路際の自然林で芽苗用の種集めをしているという。藪を探し回るので不審者と間違われたこともあるとか。間地さんの苦労が報われ、県内の法面が全て自然林に返ることを期待したい。




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