大分建設新聞

インタビュー

笠村 俊幸さん(OBSメディア21社長)

2007年11月24日
―最近の県内情勢をどのように見ていますか?  中央は好景気の風が吹いているようですが、大分では実感できない、というのが本当のところ。実際、自治体は緊縮予算が続いているし、消費者の財布のひももゆるんでません。大企業進出による経済効果は一部雇用面では表れていても全体の景気を押し上げるまでには至っていないように思います。 ―明るい話題としては何か?  地方が露出を始めています。良い意味での自己主張でしょうね。豊後高田、臼杵など元気な町が個性を発揮して注目されています。大分市でも中央から映画監督や脚本家を招待して映画・テレビのロケを誘致しようとする「ロケーションオフィス」を設置するなど積極的な活動が目立ってきました。当社もそうした流れに即した企業活動を展開しています。 ―取り組んでいる事業は?  当社はOBSグループ3社の一つで、番組制作と広告それに保険業務(代理店)が主な事業。構成比は広告50%、制作35%、保険15%の順になります。おかげさまで来年4月1日で20周年の節目を迎えます。 ―今年は年末に「水サミット」、来年は国体とビッグイベントが続きますね。  水サミットは、アジア・太平洋諸国をはじめ世界各国の元首クラスが出席する国際会議で、当社も県から発注される観光PRビデオの制作、別府ビーコンプラザ広場でのイベント企画のコンペに参加する予定です。制作能力、運営能力などを試される総合力の厳しい勝負になるでしょう。 ―コンペは、建設業界で言えば「競争入札」。広告メディア業界の現状はいかがですか? 激しい競争を展開しています。中にはコスト無視的な動きをするところもあります。しかし最後にモノをいうのは、品質の高い商品を提供できる企業力。映像制作で数多い実績(作品)を積んできた当社は、企画・制作力では絶対の自信を持っています。 ー広告メディア界から見た建設業界は?  業界の裾野の大きさから見ると、建設業界は自動車業界より広い。だからこの業界が元気を出してくれないと大分県全体が浮揚してこないと思います。私どもの業界でも沢山あることですが、最近の「とにかく安く落札した方が勝ち」みたいな風潮は感心しません。安かろう悪かろうになる恐れがあるからです。今のような傾向でクオリティーが保てるのでしょうか。個人的にはもっと随意契約を増やした方がいいと思うのですが。 ―仕事をするうえでの信条は?  平静往生という言葉があります。常日頃から「やるべきことをやれ」という意味です。私は長いこと営業の仕事に携わってきましたが、たとえ用事のない時でも得意先回りを心がけてきました。とても大事なことだと思っています。




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