大分建設新聞

インタビュー

隈田 英樹さん(西日本土木(株)社長)

2007年11月24日
―隈田弘樹会長が設立して60年。伝統企業を引き継がれた今の心境は。  大学を出て19年間金融界で働き、ビッグバンの大再編劇をこの目で見てきた。想定外の変革の連続だった。そこで痛感したのは、前例や慣習にとらわれずスピーディーに行動できた銀行だけが生き残ったという事実だ。それだけに建設業界の厳しい状況下で3年前に継承した時、まず取り組んだのは、(会社を)環境変化に耐えうる組織に改革することだった。 ―具体的にはどんな取り組みを。    経営本部で実務を統括しながらリスクマネジメントに徹し、判断に迷う件は会長の冷静、的確な決断を仰ぐ。知識、実務面での不足は自身で認識している。これまで実施してきた改革は会長の陣頭指揮で今期中(50期)にほぼ100%終わった。60期はまさに『新生』西日本土木のスタートの年となる。 ―会長の60年の実績は重いですね。   会長の企業人としての考え方や判断、会社に対する思い、社員に対する愛情など全てにおいてレベルが違う。ふつう企業の寿命は30年といわれるが、それだけに2期60年にわたる経営手腕は尊敬に値する。私も早くそのレベルに達したいと思う。 ―後継者としての心構えは?  先日、別府の杉乃井ホテルに全社員を集めて40年間続けている経営企画会議を開き、そこで私なりの覚悟を示した。「唯一、無二」。この会社を存続させること、そのためには自分の人生の全てを捧げると約束した。 ―どんな会社づくりを目指しますか。  スリムでスピーディーな企業。そのために組織改革や人事の配置を実施してきた。当社には社是としての「和」、社訓としての「創造・誠実・協調」という企業理念がある。社員一人ひとりが社是、社訓の意味を噛みしめ、心に刻んでくれることを願う。同じ理念を持つ10人の集団は、バラバラの1000人の集団には負けない。「全社員の心を一つに」、これが当社の成長の原点になる。 ―好きな言葉は。   百術不如一清。百術は一清に如(し)かず、と読む。吉田松陰が好んで使った言葉で、物事は巧みに手練手管を使おうとも、一つの純粋な誠意、清らかな心や行動には及ばない。真面目にやる者には勝てない、という意味だ。心したい言葉だと思う。




フォトコン結果発表
取材依頼はこちら
環境測定センター
arrow_drop_up
TOP