大分建設新聞

インタビュー

阿南 勝啓さん(新大分土地(株)社長)

2007年11月24日
 古いビルを再生、高い入居率を確保して注目されている新大分土地(大分市・阿南勝啓社長)。中心市街地の衰退は、地方都市共通の深刻な問題で、大分市も例外ではない。老朽化したテナントビルは、ここ数年急速なペースで空室が増え、オフィス賃料も下落の一途。それでも借り手はつかない。同社も4年前までは同じ状況だった。  「都町のビルが老朽化し、1階に入っていた居酒屋チェーンが撤退して文字通りもぬけの殻になった。少々手直ししたところで新築物件には適わず、壊そうかと思った」と、阿南社長は振り返る。だが、そこで考え方を180度変えた。福岡で働いていた頃、大名地区で若い人々が昔風の物件を今風の好みに変えて“街”を甦らせていたことにヒントを得た。大分でも、自分の好みのままに街の中心部で働きたい、生活の場がほしいという新しいテナント需要があるはずだ。「ビルの再生はカタチではなくビルの存在価値そのものを再生することではないか」と考えた。こうして平成15年、阿南社長を中心に、同じ考えを持つ・同志・が集まり、老朽化したビルの再生事業をスタートさせた。  まず、本社ビル1階にインテリアショップ「CICOU」をオープン、翌16年には都町の築38年の老朽化した第2ビルをリノベーション(新価値を持つ物件に再生)し、1・2階は路地のある“隠れ家”風、3・4階はコンクリートむき出しのハーフスケルトン仕様のSOHO(スモールオフィス・ホームオフィス)として再生、今年1月現在入居率は100%だ。さらに18年3月には長浜町の築36年の古いビルを再生、約33坪あったオフィス用空間を5~7坪のコンパクトな部屋「タノシゴトバ」に再分割して貸し出し、10月には本社ビル3階を「タノシゴトバ2」に再生、いずれも現在100%の入居率。「新たに起業したい人や店を開きたい人たちに斬新なデザインのテナント空間を提案・提供するだけでなく、賃貸面積をコンパクトにしてその分賃料を安くした。しかも敷金は全てゼロ。浮いた分を内装や開業費用などに充ててほしい」というのが願いだ。  大分県も創業支援策の第一号として、同社の「タノシゴトバ2」その他のプロジェクト物件を県指定のベンチャーサポート施設に指定している。




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