大分建設新聞

インタビュー

原田 隆雄さん((株)原田建設専務)

2008年03月06日
 中津市工業連の会員企業が毎年、北九州市で開催されている産業テクノフェアに、技術や商品を出展している。豊田町の(株)原田建設(原田勝彦社長)は昨年、新開発した「はもポン酢」を出展した。「ほう。建設会社がポン酢とは?」。  商品開発に携った原田隆雄専務(35)が、いきさつを話してくれた。以前から農業に興味があり、県が開いた異業種参入セミナーなどに参加したが、まず感じたことは販路確保の難しさだった。ではどうするかと考えた結果、当たり前と言えば当たり前だが、売れる商品を作ることが第一と考え、以前から親交があり、市内犬丸で「手作り醤油」を生産・販売している、田中宏(有)田中醤油社長に相談したという。  田中社長と話しているうちに「ならば!」とひらめいた。「ここの醤油の原料は大豆だし、県産のシイタケとカボス、それに中津の名産ハモとの組み合わせはどうか。きっと中津らしい商品ができる」と。田中さんに提案すると、「おもしろい!」。  善は急げで、早速試作品づくりにかかり、10ヵ月の試行錯誤の末に、昨年2月にサンプルが出来上がった。それを持って県の担当者を訪ねて、助言をもらったり、市工業振興課の指導を受けたりして、テクノフェアに3日間出展した。一般の来場者に試食をしてもらい好評だった。だが、やはりカベは販売の難しさ。今も苦労しながら販路確保に懸命だ。  建設業は仕事が途切れたときに、社員を効率よく活用するかどうかが、大きな課題。特に近年は公共事業が減っているから、なおさらだ。「人材の効率的活用のためにも、今回の異業種との共同作業は、いろんな意味で勉強になったし、世間一般に売り込めるようになれば、いずれは加工品の原材料を自家調達、つまり農業参入も可能だと強く感じた」という。  こう熱く語る姿は、物静かな雰囲気の原田専務からは意外だった。「農業をして、産物を原材料に加工品を作り、ブランド化する。そのためには今のうちから、ノウハウを身につけ、着実に具体化させていきたい」と語る。発想の転換とアイデア、一企業では無理でも異業種間の連携で農業参画を目指す原田専務の柔軟な発想と先を読む計画性に、一つの入り口を見つけた思いがした。  はもポン酢は200㍉㍑瓶750円で販売。ハモ(骨)エキスが入っていて、豆腐(冷奴・湯豆腐)にピタリ合う。


「異業種との共同作業は勉強になった」と原田専務

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