大分建設新聞

インタビュー

森本 倫弘さん(臼杵土木事務所長)

2008年06月05日
 「生まれは津久見市、大分高専に入学し寮生活を送ったので、地元の同級生は小・中学校で一緒だった人に限られますね」と語る。県に入った高専出身者の中では、初めての現場長就任。「一昨年、ここの次長として、事業化に向け取り組んだ佐志生の国道217号改良や下り松地区急傾斜崩壊対策工事を実際に手がけることになるなど、思いもしなかった」とさりげなく話す。  初任地は企業局の北川ダム管理事務所。上流の小さな藤河内ダム担当だったので、台風などの際は、取水口に引っかかる流木やゴミを取り除いたり、一定の水位確保のために放水量調整をするなど寝ずの番で大変だった。管理事務所勤務の2年間で、「水のありがたさと怖さ」を身に染みて感じたと言う。  管内の主な事業は、「道路では、国道217号佐志生改良、国道502号西畑工区拡幅、217号の千怒・日見バイパスの開通と日見側の仕上げ工事。河川では、臼杵川床上浸水対策特別緊急事業の最終年度にあたることから、河口部の大規模な河床掘削に取り組むとともに、他の河川についても河床掘削を積極的に進めたい。また、河口部の掘削をすると残土処理の問題が発生するが、この残土を臼杵港移転拡張工事や県道大泊浜徳浦線の線形改良のための埋立に使うことを考えているので、それぞれの締め切り工事を急がせたい。港湾関係では、引き続き臼杵港の移転拡張のほか、今年はいよいよ津久見港の下青江地区で波除堤(延長50㍍)工事が始まる。このように、課題は多いが、まだまだ地域の要望があると思うので、それらを速やかにとらえ、形にしていきたい」と課題と抱負を語る。  着任早々「公務員や公共工事に対する風当たりが強いと感じるかもしれないが、社会の役に立っていることを認識し胸を張って仕事に取り組んでもらいたい。苦情や要望が出たら、すぐに現場に行くことを徹底して実行してほしい」と職員に呼びかけた。  「先日の雨で、法面が壊れたとの連絡があり、夕方、現地に行ってみた。応急工事をした個所が目の前で再び流れ始めた。施工業者の社長は、重機もろとも流される危険を顧みず、テキパキと処置をし大事に至らずに済んだ。最近は、ややもすれば建設業は悪だとの風潮も見えるが、重機を動かしているのは、土建屋さんなのだと多くの人に知ってもらいたいと心の底から思った。建設業は地域に無くてはならない産業」とエールを送る。  大分市西大分から通っている。52才。 略歴  宮崎大学工学部を卒業して、昭和54年、県入り。旧運輸省港湾局出向、港湾課主幹、建設政策課課長補佐、土木建築企画課参事を経て、今年4月現職。港湾関係のエキスパート。




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