大分建設新聞

インタビュー

河津 洋一さん(大分土木事務所長)

2008年06月11日
 大分は4回目の勤務。知り尽くした庭に帰ってきた感じだ。ただし、今回はトップの所長として戻ってきた。「責任の重さを感じています」と表情を引き締める。  大分市から由布市まで管轄は広い。「昨年は由布市などで台風被害が大きかった。今年も継続して復旧対策を進める一方、砂防ダム、地すべり対策、河川改修事業など安心して生活できる環境の整備を進めたい。また大分市内の渋滞対策も重要な事業」と、山間部と都市部での事業は幅広い。  渋滞対策では国道442号交差点改良、坂ノ市中戸次線バイパス、下郡中判田線を重点的に整備する。周辺部の道路整備も重要だ。「国道197号の佐賀関古宮~小志生木間、442号の野津原下詰~今市間、庄内五ヶ瀬の庄内久住線などが中心になる」という。  そして気になるのはやはり国体。準備に大わらわの時に政界混乱による”予算凍結”の事態に。「これにはまいった。正直ハラハラした」。大分光吉ICフルインター化事業や市内の主要バス停のノンステップ化、歩道の拡幅など時間勝負の事業が目白押しだけに緊張の毎日だったという。  県内の主要土木事務所のほとんどで勤務してきた。今でも印象に残っているのは17年の豊後大野土木勤務の時の台風災害。「緒方~高千穂間の道路が陥没して14世帯の集落が孤立した。この時は市や県職員が食料品、医薬品などを詰めたリュックを背負って10㌔の悪路を何度も往復した。迂回路を造るために地元の業者や一般の人たち、職員総出で力を合わせ、1週間で完成させた時は感動した」。  トップとして職員の育成にも取り組む。世代交代の時期で若い職員が多い。「人員削減を背景に総合評価方式の拡大などで一人当たりの業務量が増えている。それだけにより高い専門知識を習得し、技術力を高めてほしい」と期待を寄せる。建設業界への思いを聞くと「建設業は社会資本整備、災害対応、地域雇用、地域経済の担い手として、なくてはならない社会貢献産業。これからは特に体質強化、技術力向上で、地域活性化を支援する役割を担い続けてほしい」。  大分市内で奥様、子供さん2人の4人暮らし。時々、長湯などの温泉に出かけるのが楽しみだという。58歳。 略歴  昭和48年、熊本大学工学部土木工学科卒業後、県職員に。道路課、大分、佐伯、日田、別府など各土木事務所に勤務。前任の高速道路対策局長を経て、今年4月、現職。




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