下村 和生さん(大建協宇佐支部長)
2008年06月18日
単刀直入ズバリとモノを言う人である。『現場は工場』が信条。つまり地方の建設業は地場産業としての工場的存在であり、そこに暮らす人々の生活を支えている大切な職場という意味だ。
その職場が今、嵐の中で吹き飛ばされようとしている。「道路財源をめぐって、政治はごらんの通りのありさま。与野党入り乱れて、一体何をやっているのか。マスコミもひどい。国交省の無駄遣いなど表面的なことばかり書き立てて道路づくりは悪みたいな論調で世論を作っている。地方の道の現実、地方の業者の現実を知らな過ぎる」と斬り捨てる。
下村建設(株)(宇佐市安心院)の社長。先の総会で大建協宇佐支部長に選出された。「協会存亡の危機。みんなで全力を尽くして、(協会を)残していかなければ」と厳しい表情で語る。
会員が生き残るためには、それに見合う仕事が確保されなくてはならない。宇佐支部は今年度の最重点事業として『建設工事量の確保』をあげている。しかし公共事業量が減り続ける中で具体的にはどうするのか。「たとえば道路。地域にはまだまだ改良しなければならない道路がたくさんある。風雨の際は要注意の危険個所、歩道のない道も数えきれないほどある。年々増えている老人など交通弱者の交通事故のほとんどはそういう道で発生している。また県道中津高田線のバイパスとなる黒川松崎線など主要道路の工事も急がなくてはならない。こうした地元にとって絶対必要な〝良い道路”を造るために宇佐市の総力をあげ実現に向けてアピールをしていかなければ」と、宇佐支部はもとより市民、商工会議所、行政の結束の必要性を強調した。
下村さんはこれまで、宇佐支部事業拡大推進部会のリーダーとして「上から下りてくる需要でなく、下(地元)から湧き上がる需要づくり」に取り組んできた。それを今度はさらに大きな舞台で展開しようとしている。県内建設業界のためにも宇佐支部の頑張りに期待したい。
略歴
昭和54年4月下村建設入社。同年11月専務取締役、同62年4月代表取締役に就任。宇佐地区建設業協同組合理事長など多くの要職を兼ねる。52歳。