山中 彦之さん(大建協豊後高田支部長)
2008年07月04日
多忙の上に「超」が付きそうな日々を送っている。九州法面協会と県法面協会の長を兼務しながら、今年は大建協の副会長、同豊後高田支部長も引き受けた。本業は県北の有力建設会社、九州特殊土木(株)の会長。長男で社長の大成氏とともに社業の先頭にも立つ。
業界受難の時代。「新規事業が次々発注される時代は終わった。これからの仕事は、これまで業界が手がけてきた社会基盤の補修や補強が中心になっていくのではないか」と語る。その〝2次需要〟対策は、「事前調査を行なうなどして災害時の危険個所を予測し、これを地元の人々の声としてアピールしていけたらいいと思う。そのためには行動力のある青年部の育成、さらに支部に災害対策委員会を新たに組織したい」と言う。
一方で、廃業や倒産などによって会員の減少が続いている。「うーん、こればかりは…」と山中さんは腕を組む。
逆風の中、建設業が今、為すべきことは?。「いろいろあるが、一つは社員の質の向上。研修で技術力をアップしたり、資格を取らせようと会員企業の多くが努力している。それでも社員を減らさなければならない厳しい経営環境にある。農業など新分野への参入も一つの道だが、問題は行政の取り組み方だろう。販路開拓などのノウハウ提供をどこまでやってくれるかがカギだ。長く続く厳しすぎる経営環境の中で体力を消耗した会社も多い。(新規参入の)リスクが大きければ(業者も)ちゅうちょするのではないか」と、異業種参入の難しさを語る。
そんな過酷な実情のもとで協会組織の増強対策を考えなければならない。「それが支部長の役目だ。業者数も相当淘汰されることになるだろうが、しかし生き残らなければ」と力を込めた。
囲碁の腕には定評がある。「経営、人生が見えますか?」。「ここは辛抱、ここは攻め時。盤上にはいろいろあるよ」。難問山積だが、たじろぐ気配はない。
好きな言葉は「沈着冷静」。73歳。
略歴
昭和46年12月、九州特殊土木(株)を創業。以来36年にわたって社長を務め、平成18年8月、長男大成氏に社長を任せ会長に。多くの業界団体の長として活躍している。