大分建設新聞

インタビュー

元永土人さん(大建協国東支部長)

2008年09月17日
 支部会員の人望が厚く、この5月の総会で強く乞われて支部長になった。しかし業界の経営環境と支部の運営は「厳しい」の一言。この地区ではかつては国、県、市合わせて年間200億円あったという公共工事も今や30億円程度。A級の企業は来年度から完工高を維持できないおそれもあるという。この苦しい状況下、「談合は許されないが、過当競争は避けるべき。護送船団方式で乗り切るしかない」と語る。  「地域の建設需要が少ないわけではない。道路整備は遅れており、整備の必要な個所はいっぱいある。あちらこちらの川の土手にはヨシが生い茂って、川も山も危険な状態で草刈り清掃が必要。小規模集落が点在し、そこには急傾斜地や危険ため池が数多くある。鉄筋がさびた橋は数え上げればきりがない。しかしたとえ県の補助があったとしても、地域の経済力が乏しいため地元負担分がまかなえず何もできない状態だ」と嘆く。  〝護送船団方式〟を支える会員企業の減少も問題だ。会員は草刈り清掃や不法投棄物の撤去など地域貢献活動に励んでいるが、会員外でも公共工事を受注できるため「入会のメリットがない」のが現状。会員外企業は地域に貢献せずして仕事を受注しているわけだ。県や市は地域社会を支える大建協支部の活動を評価して、受注機会を増やしてもらいたい、と訴える。  旧武蔵町の麻田地区で麻田建設(有)を立ち上げ、現在会長を務める。地域の圃場整備など農業土木を中心に会社を経営してきた。鉄道の廃線や大分空港の開業、ミカンをはじめとした農業など地域の浮き沈みとともに歩んできた。その経験から「どんな仕事でもいい時はせいぜい10年」と言う。いろんな時代を乗り切ってきた知恵で、県内でもとりわけ経営環境が厳しい地域の建設業界のカジを取る。 略歴  昭和8年、旧武蔵町生まれ。同38年、麻田建設(有)を創業。旧武蔵町町議を10期務めた。温厚で明晰・俊敏な人柄。




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