大分建設新聞

インタビュー

後藤 威彦さん(玖珠町長)

2008年11月07日
 今年9月、玖珠町長に当選した後藤威彦さん。就任して2ヵ月が過ぎた。  早速、事業中止を選挙の公約に掲げていた、総合運動公園やふれあい広場の中止撤回について触れた。「中止する考えだったが、国、県の補助金の関係もあり、今年度事業としての猶予期間も半年しかなく、さらに9月議会で今年度事業の最終決定をしなければならないなど、早急に結論を出す必要に迫られた。時機を失すると各方面に混乱と損失を招くことになる」と撤回に至った経緯を話した。  この方向転換には町民の間に賛否両論がある。「町民には撤回理由を誠意をもって説明したい。事業推進は、町民や町のことを考えた末に決断したことを理解してもらう」と、胸の内を語る。  「この2ヵ月、無我夢中でやってきた。9月議会、国体と身動きが取れない状況で毎日が時間との戦いだった」と振り返り、「今は、少し余裕ができた。これから種々の計画を精力的に推し進めていく」と、意欲をみせる。  特にインフラ整備について、「町中心部をクロスしている国道387号、210号と有機的に結ぶ周遊道路整備を計画し、県にも強く要請している。渋滞緩和や交流人口を増やしたい」と、10年以内の完成を目指す。ほかにも、山浦線、古後線の拡幅を早期に進め、周辺部活性化や多くが湯布院に流れている日出生台演習場に来る年約30万人の自衛隊関係者の玖珠町への誘致を目論む。町中心部の活性化についても「町を元気にするには、雇用を生み出す必要がある。(県での)経験を生かし、企業に積極的に働きかける」と言う。  観光面では、森地区が国交省の地域資源再活用型地域連携事業のモデル地区に指定されたことや久留島庭園が全国庭園100選に選定される可能性が高いというのも好材料。また、古後地区の立羽田の景など古後五景の観光化も提案しており、大分福岡交流会などを通じ、福岡県の市町村、経済界、企業と交流を図って、玖珠観光をアピールしたい」と構想を語った。  「周辺市町に比べ、当町の交流人口は年約70万人ほどしかない。いい素材を利用したまちづくりが必要」と言う。「花と水と癒し」をコンセプトに各地域に花木1000本植栽、年間10万本の雑木植栽による里山づくり構想もある。  まちづくりの基本に「町民への安全・安心の確保、子供、障がい者、高齢者に優しい町、生産者の顔が見える安全な農畜産物の供給を理念に進めていく」と言い、「これからは、町民の生の声を聞くため可能な限り、外を回ることを心がけ、町政に住民の声が届くようにしたい」と締めくくった。 略歴 昭和44年、法政大学法学部卒業後、46年に県職員に。商工労政部企業立地推進課参事や玖珠九重振興局長などを経て、平成16年に退職。当選1回。64歳。




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