大分建設新聞

インタビュー

山口定さん(帝国データバンク大分支店長)

2009年01月23日
 現在の経済状況について、「とにかくひどい。特に建設、不動産関連は貸し渋り・貸しはがしで大変だ」。あのぉ、本紙ではつい先日、貸し渋り・貸しはがしは表向き無い、と書いたところなのですが。でもウラのウラまで知る山口支店長の話。  「銀行も企業も体力勝負なんだから、ウラでは…」。なるほど。  昨秋スタートした緊急保障制度は「ごく一部には恩恵があって、とりあえず正月を迎えることができただろうが、いずれ行き詰まるのはわかっているのに〝延命装置〟をつけるようなものだ。決算期の年度末に向かって、金融機関の姿勢も自らの生き残りをかけて厳しくなるだろう」と分析する。  こんなご時世、仕事柄お忙しいでしょう、と水を向けると「うちは調査の依頼を受けて報告するのが仕事。しかし最近は倒産の取材ばかりして利益にならない」とぼやく。  最近増えた調査依頼では「マンションやアパートを新築しようとするオーナーが、見積もり依頼を出した建設会社の経営内容を当社に調査してほしい、と依頼してくる。建設会社は、価格面でも経営面でも努力しなければいけないから大変だ」。  派遣労働者の解雇が社会問題となっているが「派遣会社も売上げがなくなるのだから倒産は時間の問題だろう。しかし、中にはひどいピンハネの仕事をしてきた会社もあるようで、そういうところを眺める世間の目は冷たい」。  さらに今の世の中の空気について「これだけひどいと犯罪が増えるのが心配」とも。「今日の食事、今夜の住まいがないのだから切羽詰まるのは当然だ」。あぁ、どこまでも暗い、何か光明はないのかと詰め寄ると「とにかく体力勝負だ。体力があれば〝いいとこどり〟できる」。〝いいとこどり〟とは?。「企業を買収するにしても優良部門だけを買収する。あるいは納入したい大手企業と取り引きがある他の中小企業を買収する。そんなケースが増えている」という。〝いいとこどり〟は生き残りのヒントかもしれない。




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