浜田兼栄さん(NEXCO西日本中津工事事務所長)
2009年01月29日
―東九州自動車道の築上~宇佐間は、昨年末、福岡県側の工事が発注され、続いて宇佐市のトンネル工事の公告が出ましたが、今後の予定をお聞かせ下さい。
浜田 全区間28・3㌔のうち福岡県側は14・8㌔、大分県側13・5㌔です。工事は暫定2車線ですが、用地取得は4車線分です。来年度は全体の80%の用地取得と文化財調査50%の完了が目標です。大分県には、18年6月に工事事務所を設置する時から、場所提供等のご協力をいただきました。当初私も含めスタッフ10人とも高速道路事業の最初からの立ち上げは初めての経験で、不安もありましたが、地域の熱い期待と協力で昨年中に地元設計協議調印式も全区間で終了できました。現在スタッフは46人ですが、今後現場業務が増えるため約100人ぐらいになる予定です。
―これからの工事計画は。
浜田 土工工事は本年度2工区を発注および公告しています。21年度はほぼ全線を発注か公告までしたいと意気込んでいます。
―地元の人たちは、一日も早い高速道の完成を待ち望んでいます。しかも今は不況風が吹き荒れ、特に建設業界は元気がありません。その意味ではこの東九州道は希望の星のような工事だと思います。
浜田 私たちも26年度完成はもちろん、さらに早く完成させたいと思っています。しかし、ただ早く造れば良いというものではなく、地域の皆さんに喜んでいただける道づくりをしなければなりません。
―環境問題などにも熱心とか。
浜田 大分県の「企業参画の森林づくり事業」にタイアップし、中津市三光臼木の山林に山もみじ、山桜、ヒノキなど約450本を所員やその家族たちと植えました。今後は高速道路沿いの植樹について、地域の自生種を調査し、地域に合った環境づくりを地元の皆さんと話し合っていきたい。また、地元との連携と高速道路への理解を深めてもらうため、市民参加のマラソン大会や各種イベントに積極的に参加するとともに、社員が各地の学校などを訪れ、「高速道路出前講座」を開いています。
―植樹によってCO2をずいぶん減らせるそうですね。
浜田 450本の植樹と5年間の下草刈りで約8トンのCO2を削減できるそうです。大分県からは「CO2吸収証書」(木製の盾)をいただきました。高速道路法面でもCO2削減に大いに寄与したいですね。
―一日も早い開通を願っています。
浜田 安全、安心な高速道路を早期完成させるため所員一同全力で取り組んでいきます。
(略歴)
鹿児島工業高校を卒業後、昭和48年、日本道路公団へ。本社高速道路工務課、関西支社などに勤務。平成17年、西日本高速道路(株)関西支社建設事業統括チームリーダーとなり、18年6月から現職。