大分建設新聞

インタビュー

宮脇恵理さん(ミヤシステム)、システムで建設業をサポート

2009年02月24日
 原価管理の手法として日本初の特許を取得し、全国の建設業者に愛用されている「MIYAシステム」。その開発者である故宮脇健司氏(宮脇建設創業者)の愛娘だ。父親が経営する建設会社に「事務でも」と考え入社した。それが土木が好きで自分ができる範囲で勉強、なんと1級土木施工管理技士の資格も取得した。「小さい頃からユンボやトラックや監督さんたちに囲まれて育ち、いつの間にか地球にものを作っていく、土木の世界にあこがれを持っていた。土木の世界にかかわることが出来てとても楽しい」という。  父から、パソコンが好きならやってみろと、「MIYAシステム」の担当を任された。全国への「MIYAシステム」の販売やサポートはインターネットが舞台。大安吉日に発行するメールマガジンやブログ(インターネットの日記)では宮脇さんは〝エリザベス〟のハンドル(ニックネーム)を名乗る。画期的な原価管理ソフトで、建設業の利益向上に役立つと、全国に熱心なユーザーが広がる。しかし、県内では開発元の宮脇建設が同業者ということもあり、同じ地域の仕入先や発注先の単価情報を含む「実行予算」や「原価管理」の作成支援は難しい面もあるという。  そこで、県内の建設会社も地域ぐるみで元気になってもらえないだろうか、と開発したのが「請com」(うけこむ)だ。これは電子入札のICカードを利用して、発注者・受注者・下請の間の電子契約を実現するもの。電子契約なら印紙が不要で、コスト削減につながる。建設業の電子商取引(EDI)を手軽にすんなりと実現したシステムとして画期的だ。さらに契約管理、工事管理もでき、時間と労力を削減できる。関係する企業間での情報共有のみで、同社に〝手の内〟をさらす必要はない。県内の建設業者も導入するメリットは大きいはずだ(現在、同社ホームページでキャンペーン中)。  大分県でも来年度から設計業務で電子納品が試行される。「設計は事実上本格導入になるだろう。その後すぐに工事でも導入される。電子入札が導入された時のように混乱するかもしれない。その際、私たちは地域の建設業者をサポートしたい。システム屋としてではなく、土木の仕事を熟知した私たちだからこそできる」と意気込む。  もうひとつ、同社の全国的な活動組織が「土建屋魂」。全国の中小建設業者の有限責任事業組合(LLP)で、全国のネットワークで土建屋の方向性、公共事業のありかたなどを、真剣にまじめに情報交換するというもの。離れた地域の業者間で仕事や技術を融通し合うなど、営業面でも効果を上げているという。  そのうえ「土建屋魂」内には〝土建屋「嫁」魂〟というコーナーもある。これは女性として業界に貢献できることはないか、情報を交換し合うもの。例えば「工期前で監督さんは忙しそう。私たちに出来ることは何がある?」といった調子だ。女性でもできることだけでなく、女性だからこそできることもあるのだ。がんばれ、エリザベス!。   
 


 
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