大分建設新聞

インタビュー

坂山敏二さん( 山国川河川事務所長)、地元に感謝される公共工事に

2009年05月14日
 今回で5県目の赴任だが、大分県は初めての勤務。「山国川に対する地域住民の皆さんの関心が非常に高い。上流の耶馬渓などが国定公園に指定されているほど水が美しい」と、中津が気に入った様子。  この3月まで福岡市に出向し、同市や福岡都市圏の水資源開発に取り組んだ。河川行政のエキスパートだ。  21年度の同事務所の予算は約18億円。「32人の職員とともに利水・治水・環境のバランスをとりながら長期的な河川整備を進めていかねばならない。責任の重さを痛感している」と言う。住民の関心が高いことと国定公園内の護岸工事などにあたっては、景観・環境に十分配慮する考えを強調する。  当面する重要事業は、本耶馬渓町青地区の築堤工事と、19年の台風で上毛町(福岡県)の障がい者施設が孤立する被害があったことを考え危機管理を徹底していく。被害地の同町原井地区では今年度から重点的に施策を開始した。「24年までに400㍍の築堤工事を完成させたい」と語る。  建設業界に対しては「これまで建設してきた公共施設の補修や改造の時期がきている。安心・安全のバランスの観点からも本格的に取り組まなければならない。私は、業界の技術的な変革と有効な延命技術開発の2点が重要な課題と思う。(公共事業不要論など)建設業に対する世の中の風向きを変えていく努力も必要ではないか」と力説。  過去の仕事で印象に残っているのは、長崎県の雲仙普賢岳の火砕流災害の後、砂防ダム建設に携わっていたとき、夜遅くまで仕事をする職員に地元の人が「温泉入浴代はタダでいい」と言ってくれたこと。「うれしかったですね。本当に必要とされる公共工事は、地元の人々に必ず感謝されると実感した」と振り返る。  九州地方建設局に入った後、熊本商科大学2部に学んだ。「土建屋が商科に行った変わり者」と笑った。前所長の中原鶴見さんとは九州地方整備局で机を並べたことがある。  久留米市に奥さんと子供3人を残し単身赴任。54歳。 略歴  熊本県立玉名工業高校卒業後、当時の建設省九州地方建設局職員に。初任は熊本工事事務所。地域河川課長、前任の福岡市総務企画局水資源対策部長を経て、今年4月、現職。




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