大分建設新聞

インタビュー

伊藤 義明さん( 宇佐土木事務所長)、安心・安全な道路を

2009年06月01日
 宇佐は2度目の勤務。「前回勤務のときはコンピューターの2000年問題で大変だった」と振り返る。久しぶりの宇佐は新鮮に映る。それは、「当時計画していた事業が確実に進行しているから」という。  ただ「宇佐市は、道路の成熟度は高いが、全体に規格が古く交通弱者に優しくない面があると感じている。今後は、地域間交流道路や観光道路など、安心・安全に重点をおいて、整備したい。そのため事務所職員には、地域総合センター的な役割意識を持ち、現場に出かけて、地域の方々の意見、要望を聞くことと、公平・公正・透明であれと言っている」そうだ。  管轄地域は東西20㌔、南北30㌔。標高差は1000㍍もあり、地形が複雑。そのため砂防ダムや急傾斜地崩壊対策事業を年間3ヵ所ほど実施している。これらの事業のほか、「宇佐市と連携してJR柳ヶ浦駅周辺開発などの事業を進めていきたい。また、県道の下恵良九重線、鳥越湯布院線拡幅改良などは、1・5車線化で検討したい」などの懸案、課題を挙げる。  山本バイパスの拝田橋架け替えについては、20年度に続き21年度も堤防整備を進め、22年度から2ヵ年で下部工、24年度から2ヵ年で上部工工事をする計画。  建設業界は厳しい事態に直面している。「確かに大変な状況だが、建設業は、昔から地域の基幹産業で、関連業種を含めると総合産業のイメージ。住民から頼られる地域アドバイザーとして、存在感を維持してほしい」と期待する。  忘れられないのは豊肥大水害。生々しい体験をした。第1次災害応援派遣で現地に駆けつけ、災害直後の現場で、復旧事業の先駆けを経験した。それと、八坂川の八坂橋架橋(杵築市)で当時の最新技術、ディビダーク工法を経験したことを懐かしむ。  好きな言葉は、故室原知幸さん(下筌ダム建設反対を叫び、蜂ノ巣城と称する砦を築いて闘争を続けた)の著書にあった、公共工事の在り方についての「理に叶い、法に叶い、情に叶う」だ。  奥さんと会社員の長女、高校生の長男の4人家族。54歳。  略歴  熊本大学土木工学科卒。昭和53年、県職員に。初任は国東土木事務所。河川課、大分土木、砂防課、宇佐土木などを経て、前任の河川課防災調整監から今年4月、現職。




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