二宮 誠一郎さん(北部振興局長)、農業参入促進に全力
2009年06月24日
県北の3振興局が統合して北部振興局になる前の中津振興局に約2年間勤務したことがある。「県北はダイハツ効果などで活気がある。何よりも1次、2次、3次産業のバランスがいい。地域産業が均衡しているということは、若者の就職の選択肢も広がる。これからが楽しみな地域」とみる。
県が力を入れている異業種の農業参入は、県内一の農業地帯を抱える同振興局にとっては、最重点の一つ。「20年度は県全体で30社の目標をクリアした。県北でも目標を1社上回る10社の実績を挙げることが出来た」と、まずは順調。さらに、「県の目標は、昨年度からの3年間で100社。我が局は特に頑張らないと。最大限努力する」と意気込む。ただ、参入企業が、経営を軌道に乗せるまでには、難問も多い。「今年からは、参入企業のフォローにも目を向け、企業が自信をもって農業生産に励むことが出来るよう、精いっぱい支援したい」と言う。
今年度からは、宇佐平野で大規模な農地改良が始まる。「同じ水田でも、水はけの悪い所がある。より高度利用のため、144㌶に暗渠排水工事をする。宇佐平野は水田が県全体の30%を占め、麦の収穫量は73%、大豆作付け面積は65%を占める穀倉地帯。生産性を向上させるには、排水性を高めることが不可欠」と、土地改良の必要性を説く。
一方、小規模集落対策も重要だ。「今年から小規模集落を地域で支える、集落応援隊を組織し、地域住民から要望のある草刈りなどの、ボランティア活動に取り組む。高齢者が、安心して暮らせるような、集落の実情に即した仕組みをつくりたい」と語る。そのために「建設業などの事業所や団体などがぜひ、応援隊に登録してほしい」と呼びかける。
平成12年から13年に、ダイハツ進出予定地周辺のインフラ整備や浚渫事業などの計画に携わったが、先日の中津港の開港式典に出席し、見違えるほど整備された一帯を目の当たりにし、「ここまで進んだか」と感慨深かったそうだ。
好きな言葉は「仕事に厳しく、人には優しく」。日出町に奥さんを残し、単身赴任。趣味はゴルフだったが「50肩でお休み(笑)」。自宅近くの堤防で子供の頃からよくやったクロ釣りをするぐらい。
略歴
昭和49年、長崎大学卒、同年9月県採用、玖珠土木事務所、人事委員会事務局、広報公聴課、企業立地推進課、私学振興・青少年課長、商工労働企画課長を経て今年4月、現職。