大分建設新聞

インタビュー

川崎裕一さん(佐伯建設社長)、付加価値生む経営を

2009年09月10日
 (株)佐伯建設の川崎裕一社長は、多年にわたり建設業に精励するとともに関係団体の役員として地方業界の発展に寄与した功績が評価され、今年度の建設事業関係功労者国土交通大臣表彰を受賞した。  「名誉なことです」と物静かに喜びを語るが、建設業界の大変厳しい状況を乗り越える方策をたずねると、「地方には建設業が不可欠だ、というのは業界側の論理だ」と、意外な答え。なぜ?「わかってもらいたいというのは甘い。国策で生き残る時代ではない。産業としてきちんと付加価値を生み出すことが必要だ」と主旨を語る。付加価値とは「他の産業と同じく、使って便利、という財(社会資本)を提供することだ」と明快だ。だから自らは、「きちんとした経営で社会に貢献するのが経営者としての基本」として、施工量と品質と財務体質のバランスのとれた経営を心がけているのだという。  とかくギラついた企業や経営者が多い?この業界にあって、佐伯建設さんは色に例えるとシックなんでしょうか?と問うと、「うれしいですね」と素直に喜ぶ。  大分県のポテンシャルについて、「大分市と別府市という県内1、2の都市が隣接している県はめずらしい。両市をひとつとしてとらえると大きな経済圏になる。また、JRの駅が県都の中央にあるのは大分だけだ。大分駅は熊本駅より乗降客が多い」と大分の秀でた潜在能力を挙げた。  そして大分県に根を張ったうえで、大分県だけの企業でなく「九州の佐伯建設」として活躍していきたいという。道州制を見据えたうえで、県内に固執することはできないと考えるからだ。  同社は県内では最大手企業のひとつ。九州各地、そして東京に支社や支店を展開するが「別に大きい会社だとは思っていない」と謙遜でもなくあっさりと言う。祖父の代からの「誠実」な社風を貫く。




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