大分建設新聞

インタビュー

村上周太さん(県立工科短期大学校校長)、即戦力の技術者育成

2009年10月09日
 平成10年に開校し、19年に3系7コースの新体系となった中津市の県立工科短期大学校。即戦力となる技術者の育成を目指し、より実践的なカリキュラムを組んでいる同校の村上周太校長に話を聞いた。  約300社の県内企業にヒアリングを行い、設定した現在の教育コース。中でも機械システム科の金型エンジニアコースは、全国的にみても珍しいという。「本校の金型エンジニアコースは、全国に11ある県立の職業能力系短大では唯一のコース。4年制大学でも金型専門の学科はなく、大学院で金型の研究過程があるだけ。私たちが目指す“オンリー・ワンの大学校”に向け、大変重要なコースです」と村上校長。  学生は普通科高校の出身者が約7割を占める。2年という短い期間で専門的な知識の少ない学生を技術者として育てるのは難しいのでは?。「当然、短い時間を濃密に過ごせるようにカリキュラムを組んでいます。1年生の間は、職業観を養うのに大切な時期です。基礎的な知識や技術を学ぶことはもちろん、この1年間でインターンシップも含めて3度、学生に企業を訪問させています」。より専門的な技術を学ぶ2年生になる前に、3度目の企業訪問をすることで、目的意識を持って、卒業研究に打ち込めるように、との配慮がある。  同校の人材育成は、まずやってみることから。「『やってみせ、言って聞かせて…』の山本五十六ではないですが、まず実践をさせてみて、その結果に対して理論的な裏づけをしています」とのこと。割合では、55%を講義、45%を実験・実習に充てている。また、技術力の発表の場として各種コンテストやコンペに参加し、毎年実績をあげている。  最新の機械を多数揃え、充実した設備で技術と技能を磨いている学生の多くは、県内の企業に就職するという。「東京や大阪の下町のような高度な技術を持った企業が、県内にも育って欲しい」と、指導にあたる台博治教授は語る。大分県の技術力を支える人材を育てるため、先生方は日々実践的な指導に当たっている。




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