大分建設新聞

インタビュー

中野隆之さん(中野組社長)、人脈と情報を大事に

2009年11月10日
 建築工事専業の(株)中野組は、創業約50年。中野隆之さん(42)は、8月1日付けで、現会長の父友徳さんの後を継いで社長に。専門学校卒業後、同社系列の日田スポーツクラブS&Tの水泳インストラクターなどを経て、同社の営業強化とキャリアアップのため商社に入り、関東、中京方面で営業の修行を積んだ。27歳で帰郷、現場を経験した後、経営全般を担当。今も営業の第一線に立つ。隆之さんは「就任以前から感じていることだが、この産業自体、将来が見えにくくなっている。現状を打開するため、これからを生き抜く術を模索している」と語る。  業界の現状について、「個人的に思うことだが」と前置きし、「近年、現場は福岡県が多い」という。その背景を「公共事業の減少はもとより市内での案件が少なくなったことに加え、同業他社との競合で受注が困難になっている」と、県外に手を伸ばさざるをえない実情を話す。  一方で「お客様からの直接受注にウェートが移りつつある。そこで自ら多方面に顔を出し、人脈づくりと情報収集に努めるのが、私のスタンス」と、攻めの姿勢だ。今後は、お客様へのコーディネーターやアドバイザー的存在として、社員皆がコンサルタント的立場になれるよう取り組む考えだ。自らも建築関連のセミナーなどに積極的に参加し、経営や営業のヒントを探る。「創業半世紀を迎え、世情などを考えると転換の時期に来ていると感じる。従来の業界のイメージや慣習から脱却した会社づくりを目指したい」とも話す。  人の育成とつながりを重要視する。日田青年会議所理事長を務め40歳で退任するまで、ひとづくり、まちづくりや社会貢献活動にも取り組んできた。この間に得たものは「ひとづくりと人脈。JC活動を通して多くの人と知り合えたことは財産」という。直接・間接的に仕事にも役立っているそうだ。「私自身ももちろんだが、愛社精神を高め、社員と共通認識のもとに会社を発展させたい」と話した。  窓越しに遠くを見つめる眼は、会社を牽引する責任とともに、すでに将来を見据えているようだ。




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