大分建設新聞

インタビュー

波多野 健志さん(九州郷づくり共助ネット研究会)

2010年02月18日
 中山間地域が抱える問題解決の糸口を「プロの手」で見つけられたら、との思いで、建設コンサルタンツ協会九州支部の活動の一環として設立された九州郷づくり共助ネットワーク研究会(共助研)。県内から参加しているのが、九州建設コンサルタント(株)(大分市)の波多野健志環境課長。  共助研が支援する、地域活性化グループの一つが豊後大野市犬飼町の「柴北川を愛する会」だ。「鳩山首相も施政方針演説で〝新しい公共〟という言葉を使っていた。自助・公助・共助の3つのうち、今後必要になってくるのは人と人が支え合い、役に立ち合う〝共助〟」と波多野さん。昨年8月から柴北川を愛する会をサポートする中で「地元の方、各種分野の権威ある方など多くの人と触れ合うことができ、自分自身学ぶことが多い」と笑った。  共助研は、柴北川を愛する会が申請し、採択された林野庁の助成事業を支援するために、「柴北川プロジェクト」として取り組んでいる。これこそ、地域活性化の夢にプロが解決の糸口を見つけることができた瞬間だろう。  波多野さんも、現地の宝物ともいえる山桜調査のため実際に山に入った。今春閉校になる長谷小学校跡の活用策を住民とワークショップで検討した。「今後、新たな公共事業が望めないなか、コンサルタントも、このような地域活動から、本当に住民が幸せになれるための事業計画の手伝いができるようになっていかなくては」と感じているという。山桜を美しく見ることのできる視点場の整地作業にも参加、木のベンチ3基を据えた。  日頃の仕事についてうかがうと、「全ての仕事に全力を尽くしていますが、環境調査という分野なので、形に残る仕事ではないのが少し残念かな」とも。目に見えない環境の変化に敏感な職業だけに、山里のよさを見直し、きちんと守って欲しいと感じているのだろう。  同社取締役の甲斐浩志さんも「当社では大分県出身の学生だけ採用します。地元で生まれ育ち、生きていってくれる人だからこそ任せられる仕事がある。そういった意味でも地元密着しています」と語った。




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