大分建設新聞

インタビュー

梅崎健次郎さん(県土木建築部長)

2010年04月26日
 「現場100回」。これが座右の銘。どんな難しいトラブルも、現場に行くことで解決することができる。報告を受ければ、週末を利用してできるだけ現場を見に行くようにしているという。18年度から10年間の長期計画である「おおいた土木未来(ときめき)プラン2005」の5年度目の重責を引き継ぐ。  県内に限らず、全国的に建設業を取り巻く状況は厳しい。「厳しい予算の中で、どうやって(計画の)整備効果をあげていくか」、そのカジ取りが求められている。政権交代2年目、県内の高規格道路の予算は大幅に削減された。「中九州道の大野~竹田区間や、中津日田道路の直轄区間での遅れが心配」と表情を曇らせる。一部の区間が完成しても、他の区間とつながらなければ道路の意味がないからである。  建設業は受注減少に苦しんでいる。「一度、基本に立ち返って、本来の業務をスリム化して、健全にしてもらいたい。異業種参入はすぐに成果が出ない。苦しい状況で新しいことに手を出しても続かない」と、地に足をつけた経営の大切さを強調した。さらに人材育成の大切さも説く。「受注競争の激化で会社は若い人を育成する余裕がなくなっている。このため受注価格に人材育成の経費も加えられない厳しい現状がある。昔は会社が社員に資格を取らせたり、講習を受けさせていた。現状は非常に悪い。なんとか技術者を育てていかないと」と危機感を募らせた。  当面の重点課題は、災害に対する危機管理。「各土木事務所は、すなわち地域の防災センター」というのが広瀬知事の考え。そのため、災害に対する対応力を確立しなければならない。職員のスキルの蓄積、地域建設業者との連携がさらに必要になる。職員は、いざとなれば管轄外の地域でも見に行くことが必要」と、ここでも〝現場100回〟の理念。  多忙の身だが、休日にはボランティア活動や地域のイベントにも率先して参加。責任ある立場上、休日も県外に出ることは難しい。「たまには北九州の孫に会いたいんだけど」と、好々爺の一面も。 略歴  昭和50年、土木建築部道路整備促進室道路保全班参事、生活環境部廃棄物対策課長、土木建築部高速道路対策局長などを経て、今年4月、現職。58歳。




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